こんころ。今日も今日とてスケート感想です。
あらすじ(?)
グランプリシリーズ第二戦、カナダ大会。スケートカナダとも呼ばれるこの大会は、とにかくジャンプの採点が厳しいことで有名だ。
日本からは男子が二人、女子が三人出場する。女子には世界選手権を三連覇中の絶対女王・坂本花織も控えるが、「CHANGE」なるスローガンを掲げる彼女は、想像を絶する高難度プログラムを用意していた───。
以上、簡単なあらすじでした。出てきたの坂本さんだけだけど。
そんなわけで、感想に入ります。今回は女子のみ。ちょっと色々と強すぎる。
※スケートカナダはとある配信サイトで見れるので共有しておきます。上がSPで下がFS。各選手の滑走時間は感想の下に書いておきます。
1.坂本花織 201.21(1位)
SP:74.97(1位) FS:126.34(2位)
まずは世界女王、坂本花織選手から。SPにタンゴ、FSにはミュージカル『シカゴ』のジャズと、今までとは全く異なる選曲をしてきました。
SPは各選手の明暗がはっきり分かれる中、地力の違いを見せてきました。タンゴという音を細かく刻むジャンルながら、坂本選手の力強く雄大な滑りを存分に活かせており、素晴らしい振り付けだと思います。スピンで若干のミスが出たり、僅かな回転不足が出たりはしましたが、好調な滑り出し。
一方のFSですが…まだまだ仕上がらない感じでした。前半にジャンプを集めたほか、ほぼ初挑戦のオイラー入り3連を跳んでいることもあってか、前半はほとんど技術要素に集中している感じ。後半はよく頑張りましたが、ここも転倒で流れが切れてしまいました。
とはいえ、濃密すぎるプログラムなのでこれは仕方ないと思います。後半にはジャンプ構成や振り付けにも慣れてくると思いますし、そこに期待かな。原作も見たようなので、表現面にもある程度の期待が持てます。
※SPは1時間27分、FSは1時間48分あたりから
2.松生理乃 192.16(2位)
SP:52.31(10位) FS:139.85(1位)
名門クラブ・グランプリ東海に所属する松生選手。今シーズンからは羽生結弦を指導したこともある名ジャンプコーチ・田中総司にも師事することとなり、課題だった回転不足の改善も期待されます。
SPは昨シーズンから継続の「One day I’ll fly away(ムーラン・ルージュより)」。カナダの観客にとっては一年ぶりの再演となるわけですが…ほとんどの要素がイマイチ安定せず、10位に。空を舞うが如きスケーティングと美しいスピンが彼女の強みですが、氷との相性が悪かったのか、全体的に空回りしてしまいました。
そんなSPから一転、FSはほとんど完璧な演技で1位(総合2位)に。ルッツにアテンションを付けたテクニカルコントローラーは太陽に射出するとして(理不尽)(だいぶエッジ立ってたし…)、本当に素晴らしい演技でした。
松生選手の持ち味たるスケーティングが十全に活かされたプログラムで、最初から最後までつい足元に目がいってしまうような、まさにフィギュアスケートの究極とも言うべきものになっていました。これもう永久名誉一位だろ。
軽快ながらも深みのあるスケーティング、ディープエッジをふんだんに盛り込んだステップ、ブレのない壮麗なスピンなどが「永遠の光」の名を冠する楽曲と合わさり、幻想的な世界観を形成しています。ハイ・ファンタジーの世界に足を踏み入れるかのような感覚。
ジャンプもルッツのアテンション以外は一切のミスなし、減点もなし。新コーチ効果がめちゃくちゃ早く出たのか、長年の努力が実ったのか。ともかく、素晴らしい演技でした。
※SPは18分、FSは31分あたりから。
3.吉田陽菜 191.37(3位)
SP:65.32(4位) FS:126.05(3位)
昨シーズンはグランプリファイナルで3位、世界選手権にも出場するなど、シニアデビューから一気に躍進を遂げた吉田選手。3Aジャンパーとしても注目されています。
SPはややミスが出て4位スタート。とはいえ、独特な選曲に負けない表現力の高さは発揮できていたと思います。余談ですが、スタート時の動きが完全にゼ○ゼロの敵キャラ。
FSでは調子が上がらない中、それでも3Aを投入。アンダーローテーションとはいえ、転倒しなかったおかげで2Aとほとんど変わらない得点が入りました。そしてやはり曲と振り付けの個性が強い。
余談ですが、中盤あたりに「期末〜期末〜期末〜」という空耳があったりします(←空耳を「ある」とか言うな)。吉田選手も現役学生。他人事ではないですね。
(卒論〜卒論〜卒論〜とかじゃなくてよかった…)
※SPは1時間21分…よりちょい前、FSは1時間24分台後半あたり。
4.アリサ・リウ 187.69(6位)
SP:67.68(2位) FS:120.01(7位)
北京五輪シーズン後、2シーズンほど引退していたアリサ選手。復帰シーズンにして、なかなかの成績を出してきました。
SPはほぼ完璧にまとめ、2位に。シニアデビューからまもない頃に引退し、2シーズンも抜けていたとは思えないほどのスケーティングと表現力を見せてくれました。一方で、慎重になったからか動きを制御しすぎな気もしましたが。
一方のFSですが、ジャンプはかなり取りこぼしてしまいました。しかし、「陽キャ」「太陽」と名高い彼女らしい、ハイテンションな演技で観客を魅了していきました。まあ後半はなかなかにダレてたんですが、そこは復調に期待。
※SPは12分よりちょっと前、FSは1時間40分あたり。
女子はここまでです。スケカナは朝が早かったのでリアタイはできなかったのですが、起きたら松生さんが大逆転してた上にほぼパーフェクトで二度びっくり、という感じでした。
なんなら日本選手が表彰台独占で三度びっくり。日本女子ワンツーのスケートアメリカといい、今シーズンはやたらと運が向いてる気がします。この調子でGPFを全日本選手権にしていこうね…()
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