中国杯 男女フリー

こんころ〜。すっかり寒くなりましたね。ころくさんも換毛しなきゃね。

今日は中国杯男女フリーの感想となります。結構良演技が多かった気がする。

1.渡辺倫果(日本) 138.13 合計203.22

ショートプログラムはほぼ完璧だった渡辺選手。フリースケーティングでも減点なしのほとんど完璧な演技を見せてくれました。惜しかったのは3Fのエッジ(軸足を内向きにして跳ばなければならない)で評価が分かれて加点が付かなかったことくらい。スケートカナダではイマイチまとまりがないように見えましたが、今回は難解なプログラムをしっかりまとめあげてきました。総合で2位と大健闘。

2.吉田陽菜(日本) 139.32 合計203.97

ショートプログラムではミスが響き、3位からのスタートとなったフリー。冒頭の3Aこそミスとなりましたが、冒頭と最後のコンビネーションジャンプ以外の部分ではほとんどミスを出しませんでした。演技構成点も前戦のスケートアメリカからグンと伸ばし、逆転優勝。鶴をモチーフとした今回のプログラム。難しいものですが、今回はよく魅せていたと思います。

3.ルナ・ヘンドリックス(ベルギー) 130.84 合計201.49

ショートプログラムではミスがあったものの、貫禄の1位発進でフリーを迎えたヘンドリックス選手。しかし、どうも調子が落ちているらしく…フリーではミスや回転不足を連発してしまいました。合計では3位。グランプリファイナル進出はほぼ確実なので、どうにか調子を上げられるといいですね。

女子はここで終了。続けて男子の感想を。

1.山本草太 170.10 合計245.58

SPでかなり順位を落としてはいましたが、このフリーは4回転3本、3A2本を組み込んだ高難度のプログラム。やりきれば逆転は十分にある…と思っていた時期もありました。ほぼミス無しで完走し切ったのを見ていけるかなと思ったんですがね…。

山本選手の弱みは、なんといっても3Aの不安定っぷり。4回転はほぼ完璧レベルにまとめているのに、3Aでゴッソリ点を失った今年のスケートカナダが代表例でしょうか。とはいえ、今回は弱みを見せながらも2本の3Aを降りてみせました。特に後半の3A2Tは空中姿勢からして転けるかと思ったのですが、成功させています。

このプログラム…というか、山本選手のフリーのプログラムは前半が4回転の助走に終始しがち。そこから後半に崩れてしまう…というパターンが多かったので、正直なところ、あまり見入ってはいませんでした。しかし今回はかなり良かったです。楽曲構成もありますが、後半に崩れなかったおかげで強みであろうStSqを楽しく見ることができました。結果は逆転とならず総合6位でしたが、今後が楽しみになる演技です。

2.友野一希(日本) 171.45 合計251.95

今シーズンのフリーのプログラムについて、「挑戦」と語る友野選手。実際、フリーに用いる曲は終始静かなピアノ曲で、アップテンポな曲や派手なオーケストラの曲を主戦場としてきた友野選手のチョイスとは考えられないものです。でも私は凄く好き。

ジャンプの方はスケートカナダと違い上手くいった…と思いきや、4Sが2Sに抜けてしまいました。とはいえ、そこから大崩れさせないのは流石といったところでしょう。

注目したいのは表現面。長年育て上げてきたスケーティングとパフォーマンス能力を遺憾無く発揮し、静謐でありながら観客を引き込む演技を作り上げています。さながら、森の中の美しい泉のような雰囲気。友野選手にとっての新ジャンルでありながら、今まで培ってきたものがしっかりと発揮されているのも素晴らしい。現役選手の中でもトップクラスのStSq、ChSqの引力はこのフリーでも健在でした。

とはいえ、ミスが響いて総合順位は4位。上位選手のほとんどが素晴らしい演技をしただけに、ミスの多さで割を食ってしまった感じです。

3.ガブリエル・フランジパニ(イタリア) 166.40 合計251.59

…ノーマークだったので、前情報が少ないです。元々ライトなスケオタだからさ…。

SPでは回転が抜けてしまった4Sをしっかり決め、他のジャンプもそのほとんどを高い質で決めてみせました。3Lzが抜けて2Lz+2Tになったあたりは、若さかな(年齢知らんのでバリバリのベテランだったらごめん)。とはいえ、体力以外の問題が特に見受けられないので、今後伸びそう。総合順位も5位となかなか。

4.ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン) 174.52 合計264.46

まさかまさかのノーミス。SPのスケーティングからしてまだ少しトップ選手には遠そうだったので、ミスが出るかもなと考えていたのですが…表彰台がかかった場面で、しかも地元選手(投げ込みヤバかったです)の後を受けての演技でノーミスとは…素晴らしい。

ノーミス、と書きましたが、実際のところは4Lzと後半の4T、後半の3A+1Eu+3Sの3Aでqが付いています。しかし4Lzは回転不足ながら加点を付けてみせました。このジャンプの質の良さは、今後も大きな武器となるでしょう。

正直、表現面はちょっと粗い気がしなくもない。曲に負けているかも。とはいえ、ジャンプがこれだけ強いなら今後の成長でどうとでもなりそう。何より3位で今大会を終われたのが大きい。結果を出せば、自信が付いて自然と演技も良くなるかもしれませんし。

5.宇野昌磨(日本) 174.73 合計279.98

SP首位でフリーを迎えた宇野選手。まあ優勝だろうと思っていたのですが…ひ、悲惨。本人的には満足そうでしたが、ファンである私の母はいたたまれなくなったのか途中から自室に引っ込んでしまいました。まあ翌日の地上波でちゃんと見たんですが。

まず冒頭の4Lo。問題ないように見えましたが、転けてしまいました。まあ踏切は良かったので、特に心配するほどではないですね。

問題は4F。抜けて2Fになってしまいました。前日に着氷したジャンプで抜けが出るというのは、ちょっと不安になる。元々トゥジャンプ(特にセカンドジャンプ)が苦手な選手ではありましたが、フリップはよく決めている印象でしたし。

とはいえ、それ以降のジャンプは完璧でした。特に苦手なはずの4T+3TがSP、FS両方で決まっているのはいい傾向です。

ただ、気になるのはStSq。レベル4常連だったはずの宇野選手がレベル2止まりなのはかなり気になる。他の人の検証によると規定された6種のステップは踏めているので、体の動きやエッジワークに問題があるのでしょう。

表現面ですが…気持ちを切らさなかったのはわかる。しかし、これまでの演技を考えるとどこか微妙。よく使用していたバロック系の音楽と違い、メリハリが無いからなのでしょうかね?

結果は総合2位。順位は特に異論ありませんが、FSは纏まってきた時の上がり幅も考えると点高すぎな気もしなくはない。私の期待値が高すぎるだけかな?

6.アダム・シャオ・イム・ファ(フランス) 207.17 合計298.38

先日のフランス杯に続き、またしてもやってくれました。

ジャンプは完璧。着氷が詰まり気味ですが、まあ些事です。StSqやChSqも絶品。元々爆速で動き回るStSqやChSqが得意だった選手なので、当然といえば当然ではあるのですが。

フリーの得点では先週出したものを超えてみせました。SPのミスが響いて総合では300点を超えませんでしたが、これだけ出せば十分でしょう。

とはいえ、連闘の疲れは少し出ていそう。自覚は毛ほどもないのでしょうが。退場前にバックフリップしてたし。試合での演技後の場合はフラワーガール/ボーイいるんだから危ない動きはやめな?と思わなくもない。

ということで男子の感想も終了。盛りだくさんでした。個人的にはやっぱり男子は友野選手が1番好きかな。SPとFSそれぞれに新鮮な良さがあります。そろそろ友野選手単独記事を立ち上げそうなレベル。

来週はフィンランド大会…と、全日本ジュニアがあります。日本、いや東洋、いや世界の至宝たる島田麻央選手が出るのでBSフジで是非。でも多分SPは有料FODでしか見れないんですよね…。フジテレビ君さぁ…。

フィンランド大会には日本から三浦佳生選手と佐藤駿選手、そして島田高志郎選手が出場。PR記事はまた後々出しますが三浦選手は進撃の巨人やるので是非。てかこれも全国放送だ。相変わらずフリーだけだけど。しかもいつも通り鳩のマイルチャンピオン悲鳴と被る。

おまけ

技名などの整理をします。

ジャンプ→トゥループ(T)/サルコウ(S)/ループ(Lo)/フリップ(F)/ルッツ(Lz)/アクセル(A)

T…左足のトゥ(足先)で踏み切るジャンプ。

S…右足と左足をハの字状などにして踏み切るジャンプ。

Lo…右足と左足を揃え、右足で踏み切るジャンプ。

F…右足のトゥで踏み切るジャンプ。左足のエッジを内向きに倒さなければならない。

Lz…右足のトゥで以下略。左足のエッジを外向きに倒さなければならない。

A…左足で前向きに踏み切るジャンプ。他のジャンプよりも半回転多く回る。

*逆回転ジャンプの場合、踏み切る足も着氷する足も逆になります。順回転ジャンプなら右足で着氷、逆回転ジャンプなら左足で着氷。

StSq=ステップシークエンス…規定された6種のステップを左右両回りで行わなければならない。また、体幹に影響を与える動きや深いエッジワークもレベル獲得には必須。

ChSq=コレオシークエンス…2種類以上の何らかの技を行わなければならない。イナバウアーとかスパイラルとか。それ以外の決まりは無いので、振り付けの自由度は高め。

『メダリスト』(講談社 アフタヌーン連載 単行本既刊9巻) や『ツーオンアイス』(集英社 週刊少年ジャンプ連載 単行本はこれから)はルール説明もやってくれるので、ルールを知りたい方にはそちらもおすすめ。ツーオンアイスは題材がペアなので勝手が違ってくるけど、シングルのルールも結構説明してくれます。まあジャンプなので打ち切りが怖いけど…。

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