こんころです。
早ない??? 全日本に向けて選手紹介記事作ろっかな〜などと考えていましたが、間に合わないかも。
ということで感想タイム。今回は全日本ジュニアの女子FS感想ですね。良作が多かった…。あとユースオリンピックの代表選考や全日本選手権の出場権がかかった大会なだけあり、かなり張り詰めた空気が画面越しでも伝わってきました。
1.島田麻央 FS137.99 合計201.33 総合1位
SP順位書かないと何事も無かったかのように見えるマジック。というかSP4位から総合で10点差付けての1位になるの意味がわかりません。ちなみにFSの点数はシニア女子に混ぜてもかなり高い方。1つコケてるのに。
FSの曲は「benedictus」。世界史好きな方ならピンとくる単語かもしれませんが、単純に「祝福」的な意味もあるらしい?ともかく、神への祈りをテーマにしたプログラムだそう。
冒頭3Aは余裕綽々といった感じで、あっさり決めました。多分憧れの浅田真央さんでもこんなあっさり決めないと思うの。その後の4Tはダウングレードで転倒となりましたが、まあ多分パワーが足りてない。サルコウの方が向いてるかもしれません。その後の要素はいつも通り完璧に遂行しました。フリップとルッツの両方を確実に成功させられるのが島田さんの強みですね。もちろん3Aという大技や凄まじい出来栄えのスピンが武器としては大きいのでしょうが、それだけではここまでの安定感は生み出せないはず。
逆転での1位でしたが、相手が絶好調のシン・ジア(韓国のジュニア女子選手。めちゃ強。)とかだと負けそうな点数。ユースオリンピックで金メダルを狙うには、やはり大技以外をより固めていく必要があるでしょう。
2.櫛田育良 FS124.82 合計190.12 総合2位
優勝はできなかったものの、ジュニアグランプリシリーズでは叶わなかった(ほぼ)ノーミスの演技を成し遂げることができました。
FSは「The little prince より」。映画「The little prince」は「星の王子さま」をモチーフにした作品のようですが、櫛田さんは「星の王子さま」に出てくる薔薇に扮しているようです(間違ってたらごめん。ただ薔薇モチーフのプログラムなのは間違いない。)。
冒頭から、謎めいた旋律に合わせた複雑な振り付けが続きます。その状態から3回転+3回転を2本跳ばなければなりません。更に、短い間に繋ぎをふんだんに施しながら2Aを2本跳ばなければならないという鬼畜ポイントまで存在します。正直ここは無理だろと思ってた。まさか決めてくるとは…。
ジャンプのGOE(出来栄え点)がやや伸び悩み、FSでは3位。それでも、総合では2位となりました。
3.上薗恋奈 FS125.56 合計186.51 総合3位
今シーズンからジュニアに上がった上薗さん。非木下アカデミーで早くからこれだけの結果を残すスケーターはかなり珍しいです。
FSは「Pray」と「Mechanism」の2曲。今回のサムネです。海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の曲だった気がします。静かですがやや癖があり、表現に力を入れようと思うとなかなか難しい曲かも。
さて、上薗さんの演技ですが…この大舞台でいきなりジャンプ構成を変えてきました。今までは冒頭に3Lz+3T+2Tを置き、中盤に単独の2Aを2つ入れていたのですが、冒頭を3Lz+3Tに変更、更に2Aの位置も最後にして2A+2A+2Tのシークエンスに置き換えてきました。意図としては、点数の高い3Lzと3Fを最大限に跳ぶ(それぞれ2本ずつ)ための構成変更だったよう。それでほぼノーミスなんだから恐ろしい。とはいえ、3Fは2本ともアテンションが付いてしまいました。エッジエラーやアテンションの修正は難しいですし、構成変更前の方が点数の伸び代はあるかも?
表現面はまあ文句なしでしょう。いきなり雰囲気が全く違う曲に変えちゃうSPと比べると曲の移り変わりにも無理がなく、振り付けもいい感じ。SPのジャンプミスが響いて総合では3位でしたが、初年度としては上々です。元々ユースオリンピックへの出場は年齢的に無理なので、全日本に向けた滑り出しが上手くいったとポジティブに考えていいのでは。
4.柴山歩 FS111.93 合計175.61 総合5位
FSは「The Orangery」と「The Beech Tree」の2曲。木みたいだなぁなどと思っていたら、マジでブナの木がモデルでした。
SPは概ねミスなく終えた柴山さんでしたが、FSはかなり苦戦してしまいました。特にエッジも回転も怪しい3Lz+3Tは要改善です。なんならいっそ3Lz外した方がいいかも。後半の3F転倒も痛かったですが、2本あった3Lz+3Tで両方減点を受けたのが勝敗の分かれ目な気がします。元々ジャンプでGOEはあまり稼げないようなので、基礎点を積んでおきたかったのでしょうが…。
一方で、表現面はこの全日本ジュニアでもトップクラスだったと思います。静かな上に妙なメロディーが続く曲をよくここまで表現できるものだと感じ入りました。体の動きも「木」というテーマによく合っていて、それでもけして動きがないわけではない。面白いプログラムです。振付師の発想も凄いですが、それをただの謎プログラムにせず、傑作にしてみせる柴山さんの表現力にも凄まじいものがあります。
5.河野莉々愛 FS109.48 合計167.18 総合7位
ノービス推薦から唯一、TV放送…もとい後半グループに入った河野さん。名前の読み方は多分某右大将と同じでいいと思う。FSの曲は「The Firebird Suite」。いわゆる火の鳥です。あ、不死カスの方じゃなくてストラヴィンスキーの方です。言うまでもないですが。
ノービスながら3Lzや3Fなど、高難度のジャンプをしっかり揃えています。回転不足やアテンションが目立ちはしますが、まあジュニア上位陣でも苦戦する範囲なのでこれは仕方ない。というか一切苦戦しない島田麻央さんがイレギュラーなので…。
表現はまだ少々粗いですが、ChSqのイナバウアーはかなり良い。後々の武器になりそうです。
6.金沢純禾 FS108.56 合計158.77 総合12位
名前はすみかって読むらしい。世の親御さんへ。難読名いいかげんにしてください。泣きますよ。(逆ギレ)
FSの曲は「E.T.」。イィィィィティィィィ(人差し指チョン)。 SPではミスが響き下位からのスタートとなってしまいましたが、FSではノーミスの演技で順位を一気に7つも上げてきました。FS単独なら7位。ちなみにアテンションも回転不足もない正真正銘のノーミスです。上位10名では唯一。まだスケーティングがやや拙いと見られたのかPCSは低めになりましたが、まあ続けていれば伸びます。この時期ならLzやFのエッジなど、基礎を身につける方が大事でしょう。関係ないですがコーチとのハイタッチがE.Tになってて可愛かった。
7.大竹沙歩 FS105.55 合計152.64 15位
ノービス推薦の子が推薦される理由がよく分かりますね。なんで最下位(24位)からFS11位に来て総合でも15位になれるんだ。
FSは「四季」と「River of Dreams」の2曲。ジャンプはややミスが目立ちましたが、滑りのスケールが大きく、曲が持つ力に負けずにしっかりと表現ができています。特にChSqが良かった。
今回の感想はここまで。てか長くなりすぎた気がする。3000文字て。その文章量を大学のレポートにも分けたいくらいよ。NHK杯の紹介間に合うかしら。あとレポートもヤバいな…。
今回の記事の中でも推しは櫛田さんと柴山さんですかね。全日本進出は確定しているのでお楽しみに。
ちなみにユースオリンピック代表は島田麻央さんともう1人居ます。高木謡さんなのですが、記事内では紹介できてないのでFODで全日本ジュニアのアーカイブを見てみてください。なお12/4までだった気がする。
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