オーバーヒート
OVER MAN
キングゲイナー
ゲームレビュワーのタカシ魚肉です。
先日キングゲイナーの一挙放送がバンダイチャンネル様でやっていたので見ていたら全26話休憩なしで見る羽目になったため、「このままでは済まさんぞ!」という《オーバー憤怒》という気持ちで感想をブログにしたためようと思います。
ゲームレビュワーだからってゲームしかレビューしてはいけないというルールはこのサイトにはないはず。特に聞いてないが。
キングゲイナーとは
2002年にWOWWOWの有料枠でやってたロボットアニメ。
監督はガンダムでおなじみの富野監督、脚本家は最近水星の魔女をやった大河内さん。
この二人がタッグを組んだという事はそれはもう陰鬱悲惨な話・・・というわけではなく空気は全体的に明るめ。
監督曰くこの作品のライバルはクレヨンしんちゃん(劇場版)らしいのでお子様にもあんしんな作品を目指したらしい。
そのためネームドキャラもあまり死なない(ちょっとは死ぬ)という優しい世界(?)だ。
これで心がよわいひともあんしんして見れるね!うれしいね!推しが死なないといいね!ちなみに俺のは一人死んだよ!
あらすじ
地球が持たん時が来てたので、殆どの人は「ドームポリス」という街に押し込められていた。
シベリアのドームポリスに住んでいる主人公「ゲイナー」はいつものようにネット対戦ゲームをプレイしていたが、冤罪で投獄された。
同じく投獄された「エクソダス請負人」を名乗る男「ゲイン」と共に脱獄。
その流れでやりたくもないエクソダスにも協力してしまい、その途中でスーパーロボット「オーバーマン」の「キングゲイナー」に乗り、エクソダスを巡る戦いに身を置くことになってしまう。
用語解説
●エクソダス
人類は基本的にドームポリスで生活しているが、やっぱり外に行きたい人もいるので、そんな人達が新天地を求めて脱出する行為をエクソダスを呼んでいる。
そしてエクソダスの方法は都市区画ごと機械で引っ張っていくという超豪快なやり方だ。
きっとこの世界には安全唱和は根付かなかったのだろう。
最終的にはヤーパン(日本的なところ)まで行って農業とかやる予定らしい。
敵組織の事を考えると「レールから外れて自らの道へ行く」というテーマがあるんじゃないかな?と思う。
●オーバーマン
タイトルにもなってるロボットの名前だ。
で、主人公のゲイナー君が乗っているのが「キングゲイナー」だ。
要するにMS=オーバーマンでガンダム=キングゲイナーみたいな感じだ。
この作品を知らなかった頃は「ゲイナー」がロボットの名前だと思ってたよ。だってオーバーマンがロボットの名前だなんて思わないじゃん・・・
オーバーマンは人工筋肉などバイオ的な技術を使っているので平均的なロボットよりだいぶ生っぽい。
中にはエヴァの使徒みたいなオーバーマンもいる。
そしてオーバーマンには「オーバースキル」という大きな特徴があり。機体によって特殊能力が使える。
「時止め」「怪力」「重力操作」「手がのびる」など様々なオーバースキルがある。
ちなみにキングゲイナーのオーバースキルは「加速」なので、初期のスタープラチナみたいな感じだ。
●ヤーパンの天井
エクソダスでヤーパンを目指すみんなの総称。主人公組もこちらに属している。
体制側から禁止されてるエクソダスを強行してるくらいなので、基本的にたくましい連中。
ウサ晴らしに賭けボクシングや体育祭が始まって視聴者を混乱させてくるヤバい連中だ。
●シベリア鉄道警備隊
通称「シベ鉄」と呼ばれる本作品における敵組織。
なんと敵組織が鉄道会社という斬新な状況。
「エクソダスをされると鉄道を使う人が減って利益が減るから」という理由でエクソダスをあの手この手で妨害してくる。
相手を殺してしまったら利用客が減ることになるので、積極的にはこちらを殺しにはこない。
敵組織ではあるが、愉快なヤツらが多いので、本作品における魅力を引き上げる重要な連中である。
●メタルフルコート
オープニングの歌詞で叫ばれる必殺技。
オタク同士でカラオケに行くと誰かしらキングゲイナーのオープニングを歌うので、俺もこの技は視聴前から知っていた。
この技を使うとなんかすごいことになるらしいぞ。それはもうすごい。詳細は一切不明だが。
視聴した感想
面白かった!
でも26話一気見は流石に疲れた!
正直途中でダレて途中で視聴辞めるだろうなと思っていたが、26話全部面白かったので辞め時がなかった。
個人的に特に好きな話はヤッサバ退場回、運行部長登場回、告白回あたり。
上でも少し触れたが敵キャラがとても魅力的なので、見ていて退屈しなかった。
ヤッサバ→アスハム→カシマルとそれぞれ魅力的な適役がゲイナー一行を襲ってくる。コワイ!
特にヤッサバは極悪そうな顔だが憎めない男で幼女にも優しいので、これ以上活躍されると主人公一行が目立たなくなると判断されて早めに退場することになったらしい。
その判断が正解だったかはなんとも言えないが懸念についてはマジだったと思う・・・
この作品の欠点としてはラスボスがあまり強そうに見えないところと(実際かなり強いけど)昔の作品なので、色々と女性にはオススメしにくくなる描写があること。
五賢人あたりは現代なら出番カットされそう。
キャラクター紹介
【ヤーパンの天井の関係者】
●ゲイナー
ネット対戦ゲームのチャンピオンだが、ゲインとかいうオッサンを手伝ったせいでキングゲイナーに乗ってエクソダスを手伝うハメになった根暗なモヤシ野郎。
実のところエクソダス反対派なのいエクソダスやるハメになったので色々と鬱憤が貯まっているが大丈夫だろうか?まぁ主人公だしなんとかなるやろ・・・。
最初に流れる前回のあらすじも担当しているが、大体何かしら愚痴っている。仕方ないね。
●ゲイン
エクソダス請負人にして狙撃の名手なオッサン。
キングゲイナーの戦いを狙撃でサポートする。
見事な狙撃の腕なのでついた二つ名が†黒いサザンクロス†
女たらしだったりゲイナーくんをうまいこと利用したりしているなかなか悪いオトナ。
女性に薦めにくい要素の半分くらいを担っているオッサン。
色々謎が多いが、ミステリアスな男はモテるから仕方ないね。
●サラ
ゲイナーのクラスメイトであり、本作のヒロイン。
なんというかそこまでオタクに媚びたようなキャラクターではないため、ヒロインポイントの稼ぎも中途半端になりがち(シンシアもいるしね)
なんだか微妙に扱いが悪い気がする(特にラスボス戦近辺)が、それでもメインヒロインとして頑張っているのだ。
だから「ヒロインはゲイン」とか言わないであげてほしい。
●アナ
エクソダス元のドームポリスのお姫様の幼女(かわいい)
お姫様にもかかわらずエクソダスに付いていっちゃうおてんばガール(かわいい)
本作のマスコットのジブリにいるリスみたいな三匹「リンク」「リンナ」「超獣リンス」を従える(かわいい)
そのかわいさで本作の評価に大きく貢献している(かわいい)
そのかわいさはオープニングを見るだけでもわかる(かわいい)
●リュボフ女史
アナ姫様の教育係。
よりにもよってゲインに一目ぼれしたためエクソダスに付いていく行動力のお化けにして作中屈指の狂人(個人の感想です)
姫様もエクソダスに参加していたからいいけど普通にすべてを裏切って恋の道を突き進むやべーやつだが、なんでこんな狂人が姫様の教育係なんて要職に付けたのかは謎に包まれている。オーバースキルだろうか?
【シベ鉄の関係者】
●アデット
本作最初のボス、金髪!碧眼!痴女みたいな恰好!で視聴者の心を掴む役割を果たす。
周りには「姐さん」と呼ばれるくらい豪快で強い姉御肌な女。好きなモノは強い男。
スデゴロが得意なのはもちろんのこと、色仕掛けや忍法などの搦め手も使える厄介な相手だ。
●ヤッサバ
極悪顔でガハハ系の笑いをする序盤のメイン敵。
男らしさに拘り1vs1で戦おうとしたりガハハと笑ったりしているので頭悪そうな印象を受けるが戦い方はむしろトリッキーなのでIQの上下が激しいのだろう。
よく笑い、よく泣き、義理堅く、幼女にも優しいため、どうやら当時も人気は高かったようだ。
●アスハム
ヤッサバの次にメイン敵になる金髪!碧眼!CV子安!で視聴者の心を掴む役割を果たす。
シベ鉄関係者の枠に入れているが、彼は「セントレーガン」という別の組織のエリートさん。
なにやらゲインと因縁があるようだが、ゲインは何か知っているかい?
最初はエリートとして格の高い敵として立ちはだかるが、話が進むごとにどんどんおもしれー男に変化していく。
見た目がイケメンなので知的なエリートかと思いきや、すさまじいライブ感で行動していくおもしれー男だ。
シベ鉄本社でのCV子安は本当にすさまじい迫力なので、ファンなら必聴かもしれない。
●カシマル運行部長
シベ鉄の冷酷なる運行部長。そしてクレヨンしんちゃんに出てくるようなオカマ敵役。
運行部長なので「列車を運行ダイヤ通りに動かす」という事に並々ならぬ執念を燃やしているため、運行を乱すエクソダスに対しても積極的に牙をむく。
他二人と違い、悪辣で厄介な搦め手をかなり得意としていて、オーバースキルも精神系の能力が多く、ゲイナーだけでなくヤーパンの天井全体に対してかなりの損害を与える。
●ケジナン
●エンゲ
●ジャボリ
シベ鉄の下っ端三馬鹿トリオ。ゲイナー一行との交戦数はおそらく最も多いと思われる連中。まぁ連戦連敗なんですけどね・・・。
出撃する度に色々なオーバーマンを使いこなしているので意外とすごい奴らなのかもしれない?
●シンシア
ゲイナーのネトゲ仲間。
元チャンピオンとして王座奪還の機会をうかがっている。
ネトゲだけでなくリアルのオーバーマンの扱いも優れている。
彼女が使うオーバーマン「ドミネーター」の作画はかなりすごいので必見。
ところでなんでシベ鉄関係者の枠にいるんですかね?
●キッズ総裁
シベ鉄のトップ。声がセクハラというくらいねっとりした竿役っぽい喋りをする。
「列車が止まっていいのは駅と車庫だけ」と豪語するほど列車の運行に並々ならぬ執着を見せる。運行部長に向いてるのでは?
敵の親玉なので、色々と策謀を張り巡らしているが、「エクソダス推進派のアイドルのダンスを見てご満悦」「ダサいセーターを着せられる」「『アガト・グラビティ』と必殺技っぽく叫んで本社を敵に体当たりさせる」などおもしれー男の一面もあるため、どこか憎めない印象がある。
総評
富野作品の中ではわかりやすいお話で、血なまぐさい話も(あまり)無いのでオススメです。でも一気に見ると疲れるので気を付けよう。
キングゲイナー(バンダイチャンネル)
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