宝石マニアとポードレッタイト

 

前回はカラーダイヤ達との出会いについて記事にしましたので、今度はポードレッタイトという石との出会いについて書いていこうと思います。

まずポードレッタイトとは品質を問わず、非常に希少な鉱物なんだそうです。
産出が少ない上に宝石品質となると更にレアリティが高く、その希少性の高さからダイヤモンドより高値がつけられることもあるのだとか。

ポードレッタイトはカラーレス、淡ピンク~紫ピンクの鉱物です。市場に出回るもののほとんどが1ct未満で、0.1ctを下回るものも珍しくないとのこと。

そんなお石が 何故だか我が家のハレムに仲間入りしました。
それには海よりも深く、山よりも高い訳があるのです。

それは、私の何気ない一言から始まりました。

「———ポードレッタイトっていう石、見てみたいなぁ」

本当に、本当に何気ないひとことです。
懇意にしている店舗の担当に、欲しい石無いの、と聞かれた時に答えた一言。それは明日の晩御飯何にしよう、ならこれにしたらどうか程度の気軽な返答でした。

その発言をしたちょうど一ヶ月後の事です。いつも懇意にしているジュエリーショップが、また他社のスタッフを招き小さなジュエリー展示会をしているところに私がのこのこ行ってしまったのが運の尽きとも言えましょう。

「宝石マニアさん、幻の石が手に入ったんですよ」

店内に誘い込まれるなり財布への死刑宣告とも取れる一言が、私の耳に入りました。その時の私は正直に言うと三ヶ月ほど前にプリンセスカットのアレキサンドライト(これも後々記事にします)をお迎えしたばかり。
石油王でも何でもない私にとって、笹食ってる場合じゃねぇ!!のミームになったパンダ宜しく石を迎えてる場合じゃねぇ!!と逃げ出そうとしたあの瞬間は今でも鮮明に覚えています。

でもね、それは無慈悲にも私の眼前にお披露目されてしまったのです。

一つは大きさも、艶も見事な、ややカラーレスに近いポードレッタイト。

ライトを当てるとあら不思議、まるでダイヤのような輝きが目に入るのです。

 

良かった、カラーレスダイヤに興味なくて、と正直言うとホッとしました。その子は大きさも艶も良いのですが、いかんせん遠い位置から見るとまじでガラーレスダイヤのようにしか見えてなかったのだから。

それにお値段も200万とか超えてるんですよ、無理だって⋯⋯!!!

これなら別にお迎えせんで済むな!!私の勝ちだガハハハ!!と内心山賊の様に笑っていた私でしたが、上をよくご覧ください。

一つは———と表記していますね?

そう。今回ご用意された幻の石はなんと、二つあったのです!!!

何と言う事でしょう、ポードレッタイトは品質を問わずに非常に希少な石。なのに二石もあるんです、手を伸ばせば届く位置に。

お披露目された二つ目はお値段は一つ目より抑えめ、サイズはその分少し小さいけれどピンクが濃く、カットもやや珍しいファンシーカットでした。

あーはいはい 好(ハオ)

と先ほどまで内心山賊が大爆笑していたと言うのに、二つ目の石の前ではもう自分はこのルースの奴隷になるしかあるまい⋯⋯、そう覚悟を決めた物でございます。

「なんであるのぉ⋯⋯?」

しかしながら、三ヶ月前のアレキサンドライトの事が脳裏を駆け抜けていきました。まるで流星群のごとく駆け抜けては消えていく———石油王であれば気にせず札束を叩きつけるところですが残念ながら一般人の私にはそんな芸当は無理なわけで。
せめてもの抵抗に、5w1hの内のwhyを投げかけることしか出来ません。

業者は笑いながら言いました、あの男が最後にでっけぇ花火を打ち上げたと。

突然謎の男の存在を提示されても、誰やねんと思うでしょう。彼は展示会になると山梨県の会社からやってくる、シゴデキ男・信玄さん(仮名)です。しかし最後にでっけぇ花火を、といったのには理由があります。
なんと信玄さん、その展示会の日の3日後に退職の予定だったのです。

信玄さんのエピソードは色々あるので、また後々の記事で少しずつまろび出すとして。この男、3日後の退職を前にまじででっけぇ花火を上げました。
残念ながら信玄さん本人はその日不在でしたが、なんと幻の石。ポードレッタイト2石はなんと、信玄さんが入社してすぐ仕入れて、ずーーーっと在庫として持っていたんです。

いや、何で在庫として抱えとんねん。
ポードレッタイトなんていうレア石を。
この日展示会に来ていた亀さん(仮名)が他の会社死ぬほど探し回ったのに、何処にもないから信玄さんに泣きついてやっと2石あったっていう状況なのに。

レア石なんだから出してあげなさいよ!!!となりつつ、そういうレア石がまるで私のためにあったかのように出てきたので最早勝てる気がしなかった。

しかし、だ。

わたしは何度でも言うが平民である。

対するポードレッタイトは希少石。

つまり、仁義なきプライスダウンを賭けた血を血で洗う戦いの始まりである———

と、覚悟したのも束の間。

表示価格120万円のはずのポードレッタイトは、なんでか知らないけど÷4くらいの金額(正確な金額は秘密にさせてください)を提示されてしまったのでした。

わたしは思わず宇宙猫顔をするしかなかったのです。だってプライスダウン戦争を仕掛ける前に、相手が全面降伏ですか?な金額を提示してきたんだから。

振り上げた拳は、流れる様にペンを取り購入しますの書類にサインをしていました。しかし同時に、めちゃくちゃなプライスダウンを提示してきた信玄さんを心配してしまいました、退職3日前やから自棄になったんか⋯⋯?

まぁ、わたしは安くなるのでいいんですけど。

かくしてレア石であるはずのポードレッタイトは、一石がわたしのハレム入りを果たしたのでした。

しかし信玄さんはかつてローレントーマサイト、パライバトルマリンにおいて算数ができひんくなったん?レベルの割引をやらかし頭を抱えてた男。 怒られが発生しなかったか?と心配しつつ、彼の退職を惜しむのでありました。

それでは今回の記事はここまでといたしまして、またお目にかかる日がありましたら是非お目通しくださいませ!

 

 

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