五輪男子SP感想+FS見どころ

こんころです。一ヶ月ぶりですね(開き直り)。サムネは思いつかなかったのでメダリストのLINEスタンプ。

このところ、夜勤が入ったりして体調がやや優れなかったりします。せっかくの五輪だというのにベストコンディションで迎えられなかったのはややお辛い。とはいえ、今回は現地民でもないので気楽なものです。

さて、前回の記事を書いた頃にはこのまま五輪が近づくまでに代表紹介フルコンプしてわくわくさせたろくらいの気概があったのですが、尻がきったねえ噴水と化している今のコンディションでは無理な話。

というわけで、今回は本日早朝に開催された男子SPの感想に紐付け、土曜の早朝に開催されるFSの見どころについて語っていこうと思います。放送中にも書いてるので紹介順はSP滑走順になりそう。例によってキャパシティが限られるので、人数は絞ります。

※男子SPはNHK ONE(NHKプラス)に見逃し配信があるはず

全体の見どころについて先に述べておくと、解説の情報量はかなり豊富です。ソチ五輪代表で、現在は学者などの仕事をしている町田樹さんにより、芸術面、技術面問わず、かなり濃密な解説がなされています。メダリスト勢(アニメ、漫画問わず)くらいの知識量があれば、結構楽しめるはず。というわけでメダリスト、履修して♡

木曜早朝のアイスダンスFDも町田さん解説だったりする。

 

1.ピョートル・グメンニク(AIN) SP86.72 12位

国を代表しない中立な個人出場者として、ロシアから出場しているグメンニク選手。ロシアは女子はもちろん、男子も結構な強豪なのですが、国際大会から締め出されていた影響で世界ランクが終わっているため、まさかの一番滑走となりました。

SPは「Waltz 1805」。元々は別曲だったのですが、著作権問題により変更となりました。昨シーズンのプログラムすら滑れないということで、完全新規プログラムになっています。

冒頭の4F+3Tはファーストジャンプが詰まって4F+2Tに。続く4Lzはやや詰まったものの決め、以降は概ね問題なくまとめました。スピン・ステップも全てレベル4。

ただ、ややスケートの伸びが足りず、演技構成点(PCS)はかなり渋く付いてしまいました。元々スケーティングに難ありな選手なのに加え、曲変更の影響もあったのかもしれません。

SPは90点代も狙えたところをやや出遅れてしまいましたが、グメンニク選手は数多くの4回転に加え、3Lz+3Loも操るジャンプ巧者。自身の強みを全て搭載したFSでの巻き返しに期待です。

余談:実は戦争加害国と被害国が12位、11位で並んじゃってる。このグループだけ滑走順シャッフルしませんか…?

 

2.チャ・ジュンファン(韓国) SP92.72 6位

韓国のエース、チャ・ジュンファン選手。今シーズンはやや不調だったり、靴トラブルがあったりしたようですが、直近の四大陸選手権では僅差の2位に入るなど、復調させてきています。

SPは後半にかけてテンポが早まっていく壮大なピアノ曲「Rain,in your black eyes」。四大陸、団体戦となかなかパーフェクトな演技ができていなかったのですが、今回は3Aの軽微な回転不足以外は完璧。主砲の4Sに加え、代名詞の3Lz+3Loも成功させました。テンションの高まりとテンポの速まりに合わせていくStSqを中心とした、ジャンプ以外の要素も素晴らしい仕上がりでした。

FSは昨シーズンのプログラム「ロコへのバラード」を再使用。ジュンファン選手の高い表現力・演技力、あと顔面の良さなどが十全に生かされた、珠玉の作品です。顔面が誰よりも天才。

余談:今シーズン、韓国選手権までは使っていた「ムーラン・ルージュ」も結構好き。まあ中盤のStSqに全betした構成なのは否めませんが…

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3.ダニエル・グラスル(イタリア) SP93.46 4位

地元・イタリア代表のグラスル選手。団体戦でもSPを演じ、イタリアの団体戦銅メダルに貢献しました。

SPは4Lz+3T、4Loと、高難度の4回転2本を組み込む構成。両方とも着氷させてきた一方、4Loは回転不足で加点が伸びず。それでも基礎点の強さで押し切り、演技が終わった時点で暫定1位、総合結果でも4位につけました。

FSは「教皇選挙」。地元イタリアの有名作品を使用し、表彰台を狙っていきます。でも服ガバで新教皇決定(コンクラーベ終了)を表現!は無理あるって

 

4.ケヴィン・エイモズ(フランス) SP92.64

極めて独創的な表現に定評のあるエイモズ選手。やや成績にブレがあり、グランプリファイナル(昨シーズン)に出場するほどの実力がありながら、直近の欧州選手権ではSP落ちしてしまうなど、良い時と悪い時でまさに天国と地獄になってしまう選手だったりします。

SPはレディー・ガガの楽曲を使ったプログラムで、弾けた雰囲気に仕上がっています。特に独創的なムーブメントを多用したStSqは圧巻で、鍵山選手に次ぐ高いGOEを獲得しています。

FSは「ボレロ」。フィギュアスケートでは実は珍しい、バレエの「ボレロ」を全面的に取り入れた野生味入り混じるプログラム。ラストのChSqではエイモズ節も溢れ出します。

 

5.三浦佳生(日本) SP76.77 22位

日本代表一人目、三浦佳生選手。ここ数年は右足の怪我をきっかけに調子をかなり落としていましたが、今シーズンはグランプリシリーズ二戦目、カナダ大会から復調し、全日本選手権3位で五輪代表枠を掴み取ると、四大陸選手権では優勝。絶好調に近い状態で五輪を迎えました。

しかし、SP直前に靴トラブルが発生。それでも懸命な補強により、直前練習や6分間練習では4回転ジャンプを維持していました。

SPは昨シーズンより継続の「Conquest of Spaces」。宇宙に飛び出していくというテーマを持つ、雄大で挑戦的なプログラムです。

さて、本番のSPですが…冒頭の4S+3Tのファーストジャンプが抜け、2S+3Tに。それでもセカンドジャンプを3回転にし、規定違反での0点は免れました。続く3Aも成功。最後の4Tは転倒となりましたが、それでも点数を取れるところは取り、FSに望みを繋ぎました。コンビネーションたセカンドジャンプを付けてなかったらSP落ちもあり得たので、状況が良くない中でよく持ち堪えたと思います。

FSは「シェルブールの雨傘」。悲恋をテーマにした楽曲をしっとりと表現しつつ、三浦選手の強みである勢いのあるジャンプで登場人物の感情を投影していくプログラムです。一本目に位置する大技、4Loを今回も決められるかが鍵になりそう。

 

6.佐藤駿(日本) SP88.70 9位

最終グループ一人目、日本選手二人目として滑走した佐藤選手。今シーズンは特にFSで絶対的な安定感を見せ、五輪代表に選ばれました。

団体戦FSにも出場し、銀メダルを獲得している佐藤選手ですが、その団体戦の表彰式では表彰台に不手際があり、選手全員のブレードが刃こぼれする事態に。当然3位の開催国イタリアにも影響が出ており、先述のグラスル選手もその一員だったり。

ブレードは直ちに修復され、練習時間を補填してもらえたりもしたようですが、それでも影響は消しきれなかったのかもしれません。SPでは4T+3Tのファーストジャンプで回りすぎ、セカンドジャンプが2Tになってしまいました。これにより、僅差のSP争いで9位にまで沈んでしまう事態に。

しかし、佐藤選手には自己最高を更新し続けてきた絶対無敵のFSがあります。FSは「火の鳥」。今大会の解説をしている町田樹さんがソチ五輪シーズンに用いていたことでも有名です。男子FSの日はバレンタインデー。逆バレンタインで自身初の200点超えに期待したいですね。

 

7.アダム・シャオ・イム・ファ(フランス) SP102.55 3位

フランスのエース、アダム・シャオ・イム・ファ選手。振付師のブノワ・リショーさん共々プログラムへのこだわりが非常に強く、数シーズン前はまだルール違反だったバックフリップを組み込む、今シーズンSPもボーナスがないプログラム前半にジャンプを固めるなど、やや変わったことをしがちなのが特徴。

そんなSPは「空から見た地球」というタイトルのフランスの楽曲…なのですが、言わずと知れたイタリアの有名な芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチをテーマにしたプログラムに塗り替えられています。なんでさ。

成功率の低かった4Lzを4Sに差し替え、さらに先述の通りジャンプを前半に固めていたのも功を奏したのか、ジャンプは全て高いクオリティで着氷。プログラム全体としても、今季最高クラスの仕上がりになりました。得点も100点の大台を超えました。

FSはミケランジェロの「アダムの創造」をテーマにしたもの。衣装チェンジもあります。お楽しみに。

 

8.イリア・マリニン(アメリカ) SP108.16 1位

自他共に認める「4回転の神」にして、比類なき絶対王者、イリア・マリニン選手。6種の4回転ジャンプとトータルパッケージを高め続けるプログラム、素晴らしく美麗な衣装を携え、自身初の五輪に臨みます。

SPのみの予定だった団体戦で急遽FSにも出場することになるなど、何かと調子の狂う出来事が多かったマリニン選手。このSPも本来なら前半に4A+3Tという前人未到のコンビネーションを予定していたところ、前半に4F、後半に4Lz+3Tといういつもの構成にまとめました。(まとめましたとは?)(なんで普段の構成が大博打なんだよ)

SPは「The lost crown」。ゲーム音楽のようです。日本の有名な衣装デザイナー、伊藤聡美さんが作り上げた美しい衣装とマリニン選手自身の美麗なプロポーションにより、スタートポーズの時点でダークファンタジー系の壮大で重力のある世界観を感じ取ることができます。

言うまでもなくジャンプは全て成功。特に4Lz+3Tはセカンドジャンプで両手タノ(リッポンとも)を見せました。全体的な出力はやや控えめにも見えましたが、それでも108点という高得点を確保してトップに立ちました。

FSは「A Voice」。哲学を取り入れ、マリニン選手自身のナレーションも吹き込んだオリジナリティのあるプログラムと、最高で6種7本を誇る世界最高のジャンプで、どれだけの高みを見せてくれるのか、注目です。

 

9.鍵山優真(日本) SP103.07 2位

日本の大エース、鍵山優真選手。団体戦SPでは軽微なミスのあったマリニン選手を10点上回り、金メダルを目指せる実力を証明しました。

SPは「I wish」。ピアノとギターが織りなすジャズの世界観を、細かい音を取り続けながら表現する難しいプログラム。

冒頭の4T+3T、2本目の4Sは完璧に決まった一方、後半の3Aはステップアウト。それでも見せ場のStSqでは大いに観客を沸かせ、GOEも団体戦に続いて満点を獲得しました。鍵山選手は全技術要素の質が高く、高いGOEを獲得できる選手ですが、それでもGOE満点は凄まじい成果と言えます。9人のジャッジのうち、少なくとも8人から最高評価を得たわけですからね。

FSは「トゥーランドット」。トゥーランドットは実は未完のままで、数々の作曲家により補作されてきた経緯があります。今回使用されるのはゲーム「CIVILIZATION」シリーズでお馴染み、グラミー賞アーティストのクリストファー・ティン氏が作成したバージョン。

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しかも、このFSのために新録を重ねています。まさに唯一無二、マスターピースと言えるプログラムです。

 

まとめ

男子FSは2/14(土)朝3時から!!!是非見てね!!!

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怠惰なる黒猫。フィギュアスケート(観)、ゲーム、読書などの記事を書いています。

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