こんころ。女子ショートに危うく寝坊しかけました。(朝8時スタートだった)
今日は女子ショートと男子フリーの感想を書きます。
1.千葉百音(日本)
昨シーズンから一気に世界のトップ層に躍り出たスケーター。特に、四大陸選手権ではジュニアからの出場でありながら銅メダルを手にしています。今シーズンからはシニアの舞台での勝負。
SPの曲はややエスニック調で、クラシカルな楽曲を用いてきた彼女としては攻めた選択。しかし、今回は見事乗りこなしてみせました。ハイテンポな曲はあまり経験がなかったからか、当初はやや曲を追いかけるような姿勢も目立っていましたが…シーズン本戦にあたって、しっかり調整してきたようです。
今回のスケートアメリカ女子、ジャンプは全体的に厳しい採点で、千葉選手も例に漏れず取りこぼしが目立ちました。しかしPCSでは4位と、上位のベテラン達の手前まで上がってきています。シニアGPS初戦としては上々の戦果でしょう。
2.河辺愛菜(日本)
昨シーズンからコーチを変え、プログラムの雰囲気もガラリと変わってきた河辺選手。特に昨シーズンSP「ビリー・アイリッシュメドレー」は彼女の新たな一面を引き出したプログラムであると言えるでしょう。今シーズンもSPは格好いい曲で攻めるようです。
3Lzこそ着氷が乱れてしまいましたが、コンビネーションを後半に回してリカバリーするなど、河辺選手らしい勝負強さが出た一戦でした。しかし、やや仕上がりが甘いかも?まあ初戦なので、まだ心配しなくても大丈夫でしょう。
3.アンバー・グレン(アメリカ)
トリプルアクセルを跳ぶスケーターの1人であるアンバー選手。今シーズンは調子も上がってきているようですし、期待大かも。
SPではトリプルアクセルこそ跳びませんでしたが、ジャンプに軽微なミスすら出さず、このスケートアメリカのSPにおいてはジャンプを含む全要素を加点のみで終えた唯一の選手となりました。
全体として、優れた体幹を活かした繋ぎが多かったように感じられます。SP2位の高順位も納得。フリーでは是非トリプルアクセルを成功させてほしいところ。
女子SP感想は以上3名とします。3位と1位?オイオイネーの春風。3位と1位の人は後々2回目の出場があるのでその時にできればやります(←おい)。
続いて男子フリー。まあ取りたてて話せそうなのはやっぱり表彰台組になるんですが…
1.佐藤駿(日本)
昨日は見事な演技でSP3位に立った佐藤選手ですが、今日は噛み合わなかった。冒頭の4Lz転倒まではまだよかったのですが、その後の4Tステップアウトで調子が狂ってしまったようです。昨日はレベル4を獲得したStSqも、今日はレベル2になってしまいました。
*日付変わりました。書いてる途中にもう全然動けなくなってェ…
2.ケヴィン・エイモズ(フランス)
今季(ずっと漢字間違えてた可能性ある。恥ずか死。)フリーにはフィギュアスケートにおける超王道曲「ボレロ」を選択したエイモズ選手。初見時はなんか…ダサくない…?などと思ってしまいましたが(←おい)、今回はエイモズ選手らしい謎ムーブと楽曲が上手く噛み合っていたように感じます。なんか3A+2A前に謎のスライド入れたり、ChSq(コレオシークエンス。技(要素)を2つ入れようという大まかな決まりだけがあるやつ。)で要素外っぽい謎ジャンプしたりするんですよねこの人…いや側宙じゃなくて、なんかほんとに普通のジャンプ…。
3.イリア・マリニン(アメリカ)
わけがわからん。
4Aこそ予定通り入れなかったものの、構成は普通にバケモノでした。ではジャンプ構成を見てみよう。
前半:3A 4Lz 3Lo 4S
後半:4Lz+1Eu+3S 4T+3T 3Lz+3A(SEQ)
なにこれ。ちなみに後半3つのジャンプは基礎点が×1.1されます。とりあえずどれくらい凄いかを簡単に説明。
①4Lzは4Aの次に難しい(諸説(個人差?)あり。ただ、基礎点上は4Lzが4Aの次に高い。)ジャンプで、コンスタントに決められる人はそういない。というか今年の現役組でコンスタントに4Lz決められるのはマリニン選手とあと1人いるかどうかって感じ。なおマリニン選手は4Lzをめちゃくちゃあっさり跳びます。今回も2本両方成功したし。
②シークエンスジャンプ(コンビネーションの2本目にアクセルジャンプ)で3Aを決める選手もめちゃくちゃ少ない。過去にやってたの羽生さんくらいでは?
③体力が切れてくるはずの後半にコンビネーション固め打ち。
これを軽々とやって、演技の最後にアクロバティックなムーブメントやら良質なスピンやらを入れてくるんだから恐ろしい。やっぱりまだ表現に力が入ってるとは言い難いけど、フィギュアスケートにおける技自体は大体極めてると言って良さそう。レベル取りもほぼ完璧だし。
男子フリー感想はこの3人で終了とします。やっぱりマリニンはなんかおかしいと思うの。
続いて女子フリーの感想。こちらはまあまあ多めにできるかも?
※また日付変わりました。ウケる。
1.河辺愛菜(日本)
曲目は「ボレロ」。エイモズ選手と被るのもあってか、緊張した面持ちでした。まあ結果は惨憺たる…とまで言うと可哀想だけど、なかなかにアレな感じだったわけですが…。最後のChSqを見るに、全てが噛み合えばちゃんと「ボレロ」を表現し切れるはずなんですよね。まだまだシーズン序盤ですし、長い目でシーズンを見据えて頑張って欲しいところ。
2.千葉百音(日本)
多分見るのは2~3回目になるんですが、一番まとまっていたのではないかと。転倒があったりスピンがほどけてしまったりとミスは目立ったのですが、楽曲(「海の上のピアニスト」)のキラキラ感はかなり出せていたように思えます。ジャンプにやや苦戦気味でしたが、今からなら全日本選手権には十分間に合う範囲内ではないかと。
3.吉田陽菜(日本)
「よしだ はな」です。私はひなって読んでて恥を晒しかけました。危なかった。
フリーは「尺八」。衣装も鶴がモチーフと、和のテイストを感じさせるプログラム。冒頭の3Aこそ成功しなかったものの、残りの要素はほぼまとめてきました。フリーの技術点だけなら1位です。総合4位ならまだGPFにも間に合いそうですし、次戦で挽回してほしいところ。
4.イザボー・レヴィト(アメリカ)
柔軟性と複雑なスケーティングを活かし、全身で音を拾っていくような演技でした。元々多彩なポジションを取っていく選手ではありましたが、確実に進化してきています。ただ…ジャンプの出はかなり気になる。着氷処理は上手いんですが…。
5.アンバー・グレン(アメリカ)
数シーズンかけて挑み続けた3Aをついに成功させました。その出来栄えに会場も騒然。…しかし、後半で総崩れしてしまい、結果は総合5位。3Aを演技で決めることの難しさがよく分かります。
6.ルナ・ヘンドリックス(ベルギー)
鉄壁。世界女王争いに食い込むその実力を見せつけるかのような演技でした。ただ曲がずっとフロア熱狂状態なので見ててめちゃくちゃ疲れる。
女子フリーはこんな感じ。
GPS初戦が終わったわけですが…この3日間で元々荒れてた生活リズムは更に荒れ(5時起きとかあった)、現在はオールナイト状態です。この後講義だし。オワタ。
GPS2戦目のスケートカナダが今週末なので、また色々書きます。日曜は全国で町田樹解説が聞ける日なのでおすすめです。10/29 PM1:55からテレ朝。
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