RE_PRAY感想 ~羽生結弦という表現者~

こんころで〜す。

いつもは激しい身内ギャグなどを交えながらフィギュアスケートの紹介をしている当ぶろぐですが、今回は真面目にやっていきたいと思います(サムネはちょっとふざけてるけど)。ころくさんに絡めてネタにするのは散々やってますし。

と、いいますのも…

バグかな?

羽生結弦効果、半端じゃありません。タイトル表記ミスってる(本来はRE_PRAY)にもかかわらず3桁いいねを突破しました(その後4桁突破)。この垢だと初かもしれない。

そんなわけで、バズった責任として(???)頑張ってブログを書いていこうと思います。それでは早速、演目の感想に入っていきましょう。全部のネタバレはマズイので、全体の感想に繋げられそうなものをいくつか選択して述べていきます。

1.いつか終わる夢

羽生結弦単独アイスショー「プロローグ」にて初公開されたプログラム。楽曲はFF10のもののようですね。その特徴は、クールダウン動作を下地とした「滑り」だけで構成されていること。羽生結弦さん特有の一蹴りで一気に伸びるスケーティングや、ポジションの美しさがあってこその一作といえます。

このプログラムですが、RE_PRAYにおいては物語の始まり、ゲームを起動する瞬間として扱われているようです。また、「初プレイ」を題材としている第1部と「2周目」を題材としている第2部では質感が大きく異なります。

この質感の違いを表現するのは、羽生結弦さんだけではありません。演出を担当するMIKIKOさんのプロジェクションマッピングが、羽生さんの物語と表現を更にダイレクトに伝えてくれます。総じて、「RE_PRAY」のコンセプトを体現したプログラムであると言えるでしょう。

2.鶏と蛇と豚

「初プレイ」の「いつか終わる夢」の次に位置するのが、このプログラム。椎名林檎さんの「鶏と蛇と豚」となります。「RE_PRAY」において、このプログラムはプレイヤーがゲームに没入していく過程を描いていると言えるでしょう。

テレビ朝日の特番では、こちらの振り付けを担当したMIKIKOさんが「直線上での表現」というオーダーをしている場面が描かれています。ゲームという一本の道を、振り返らずクリアに向けて突き進む…そんなプレイヤーの姿を、想起したのでしょうか。

3.MEGALOVANIA

五つの命(ホプレガ)か、一つの命(阿修羅ちゃん)か?そんな命題を乗り越え、敵を倒し続けて辿り着くのがこの「MEGALOVANIA」。「Undertale」のラスボスの一人、サンズの戦闘曲として名高いですね。羽生さんもこの点は強く意識しており、冒頭にはサンズの特徴である「無音での攻撃」を模したエッジ音のみの部分を入れています。劇場だと更によく響くんだ…。

「RE_PRAY」において、この楽曲は後の「欲望のままにここまで来た気分はどう?」への接続、「初プレイ」のプレイヤーが行ってきたことの体現として用いられているものと思われます。「Undertale」のサンズもまた、「撃破の果て」にいるキャラクターなんですよね。

このプログラムは、ほとんどがスピンかツイズルで構成されているのですが…羽生さんは様々なポジション、様々なスピードでのスピンやツイズルを見せ、楽曲をぬかりなく表現してみせます。劇場の大画面で見ると、その凄まじさが更に伝わってくるのではないでしょうか。

4.破滅への使者

「RE_PRAY」第1部、「初プレイ」の締めとして置かれているのが、このプログラム。当サイトの管理者、比呂ころく氏の”運命”にして、FF9のラスボス(ラスボスではない)、「クジャ」の戦闘曲です。

「破滅への使者」はクジャが己の寿命を自覚し、自暴自棄になって星と無理心中しようとする、そんな場面の音楽。クジャの心の崩壊と、死への恐怖、生きたいという希望などが詰まった楽曲と言えるでしょう。もちろん、羽生さんもそんなクジャの悲哀や足掻きを存分に表現しています。

しかし、このプログラムは「クジャを表現したもの」「RE_PRAY第1部最後の演目」というだけではありません。「試合の追体験」をコンセプトに、超高難度のジャンプが詰め込まれたプログラムでもあります。

「試合の追体験」ゆえに、「破滅への使者」の前には6分間練習が入ります。しかしショーのテーマを崩すわけではなく、台詞が入ったりするなど、「ラスボス前の準備、決意」というゲームらしい意図も込められているようです。

 

5.総評

さて、以上でプログラムごとの感想は終了です。第2部はころくさんに任せた方が上手く綴ってくれそうな気もしますし。横浜公演のライビュ買って♡

ちなみにED映像では3A+3T+3Loとかいうコンビネーションを跳んでたりします。どういうことなの…

さて、「RE_PRAY」ですが…総じて、ゲームプレイというものの剛と柔、バトルとストーリー双方を楽しむプレイヤーの姿がよく描けていたのではないかと思います。それでいて、ゲームだけに留まらず、「命」という深いテーマを持たせているのも素晴らしい。

使用されている楽曲も、一つ一つに「必然性」がありました。どのプログラムも、ストーリーの中で「その場面」に「そのプログラム」がなければならない…そう確信できるようなものでした。

オフィシャルプログラム(ライビュ会場で買えます。写真とロングインタビューがあるよ。)では自身の「ICE STORY」について「スケート以外での表現がわからない」「文字での表現がわからない」というようなことを仰られていた羽生さんですが、私にはそうは見えません。

確かに、持っている語彙はプロの小説家に比べれば少ないかもしれません。しかし、「感覚、思いの言語化」という点において、羽生さんは凄まじい才覚を持っているのではないかと思います。

今回の「RE_PRAY」にしても、ゲームをプレイする中での葛藤や、ゲームをプレイするということの意味などが、演技やストーリーを通して具体的に伝わるように設計されていました。表現が抽象的ではなく、具体的である。それは、羽生さんが言語化に優れていることの証なのではないでしょうか。

6.おまけ

オフィシャルプログラムの置き場が見つからなくて頭を抱えています。本棚だと縦向きに入るところが足元(最下段)しかなくってェ…もう全然入らなくってェ…

あと、ライビュ会場ですが…女性の方が多く、ちょっと緊張しましたね(筆者は男性?いいえ猫です)。ちなみにほぼ満席でした。

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