NHK杯 男女FS

こんころです。毎週供給があったグランプリシリーズもいよいよクライマックス。今日は男女FSを見ていきます。

1.アバ・マリー・ジーグラー(アメリカ) FS138.46 合計200.50 総合1位

ジャンプの判定が異様に厳しい中、3Lz+2Tのアテンション以外で一切隙を与えなかったのが優勝に繋がりました。高さのあるジャンプ、工夫を凝らした鋭いスピンで加点もしっかり稼いでいます。体もよく動いており、138点という高得点も納得の出来でした。

2.リンジー・ソーングレン(アメリカ) FS129.80 合計198.73 総合2位

SPは調子が良かったソーングレン選手ですが、FSではやや動きが固くなってしまった気がします。やはり3Sが抜けて2Sになり、更に転倒してしまったのが大きかったでしょうか。あとこれは個人的な話ですが、曲が暗めなので印象が…。とはいえ、SP同様ジャンプは回りきったものが多かったですね。…ちなみに、SPとFS両方でタイムオーバーがあり、これが両方なければ優勝だったようです。もったいなさすぎる。

3.ニナ・ピンサローネ(ベルギー) FS131.22 合計194.66 総合3位

SPでは3Lzの回転不足で2位だったピンサローネ選手。今日の演技も、やや惜しいところがありました。解説の荒川さんのテンションで回転の惜しさがわかるの助かる。とはいえ、回転不足を最低限に留めただけでも素晴らしい。ちなみに昨日誕生日だったようです。ハピバ。

4.青木祐奈(日本) FS126.18 合計184.46 総合5位

昨日は2AでURを取られるなど、やや調子が出なかったように思えた青木選手ですが、今日の演技はかなり良かったです。冒頭の3Lz+3Loこそ流れて単独になってしまいましたが、後半の3Lzにコンビネーションを付けてしっかりリカバリー。後半でやや回転が詰まってしまったものの、減点は比較的抑えたのではないかと思います。表現面も良かったけどまだ伸びるかも。

5.三原舞依(日本) FS109.82 合計172.64 総合8位

SPではなんとか上位にくい込んだ三原選手ですが、怪我に苦しむ中でFS全力はやはり厳しかったか…。

前半にコンビネーションを2本入れておくなど、作戦は立てていた様子。しかしそれでも前半の3Sの回転が抜けてしまう、後半の3Loを転倒してしまうなど、全体としてジャンプは跳ぶのがやっとといった状態でした。回転不足も多め。とはいえ、スピンやステップを崩さずにまとめあげたのは流石といったところ。組曲「惑星」というある程度力強さの必要な題材ですが、表現面で曲に負けているとは感じなかったので、あとはジャンプが決まるかどうかですかね…。

6.樋口新葉(日本) FS113.51 合計165.69 9位

昨日は本人も「何もできなかった」と言うほどに思わしくない演技でしたが、今日はしっかり切り替えてきました。

各技術要素こそ回転不足を重ね、StSqでレベルを落とし、ChSqで転倒するなど散々な出来でしたが、樋口選手特有のパッションに溢れた演技はしっかりできていたと思います。完成度とは別に、樋口新葉が帰ってきたと感じられる演技内容でした。3Aもトライしたし。

7.アナスタシア・グバノワ(ジョージア) FS128.52 合計184.32 6位

フランス杯ではFSの後半が崩れ、SPでは3Fの得点を丸々失ってしまうなど、怪我でもあるのかと感じてしまうような状態だったグバノワ選手ですが、ここでしっかり状態を戻してきました。欧州選手権(2023)優勝者の肩書きに相応しい演技内容だったと言えるでしょう。フランス杯ではレベルを落としたStSqもちゃんとレベル4になっていましたね。

女子はここまで。続けて男子。SPに引き続き2人だけです。

1.鍵山優真(日本) FS182.88 合計288.39 総合1位 (今回のサムネ。曲は「Rain,in your black eyes」)

3Aの転倒がありましたが、他は完璧に纏めて優勝しました。技術的な話はまあSPと同じです。転倒した3Aもq以上の位置には持ってきてましたし。強いて危ないところを言うなら3Lzのエッジがギリギリなところくらいかな…。

表現ですが、楽曲が持つスピード感やテンションをエッジ捌きや体の動きで表現する、というアプローチに見えます。役者型ではなく演奏者型の表現手法という感じ(ちなみに羽生君は作家型だと思ってます)。見慣れてきたのもあって、各技術要素の配置にも必然性が見えてくるようになりました(幻覚かも)。分かりやすいのはコレオシークエンス(ChSq)におけるイナバウアー前後の一連の動きですかね。

点数を見るに、ノーミスなら300は超えられるはずなのでグランプリファイナルでは表彰台に入るかも。まあ1位争いとなると2人ほど高すぎる壁が出てきますが…。

2.宇野昌磨 FS186.35 合計286.55 総合2位

今回はテクニカルの厳格さに苦戦する形となりました。UR(2分の1未満4分の1以上回転不足)こそありませんがq(4分の1回転不足)が4つ付いてしまいました。まあ回転以外は完璧だったのか4Loと4FはGOEプラマイゼロでしたが。ちなみにFSは技術点も鍵山選手を抜いて1位だったりします。4回転の暴力。

コンビネーションをちゃんと3つ入れてきた(3連コンビネーションはなかったけど)あたり、やっぱりファンの言うことは聞く予定みたいですね。次は3A+1Eu+3Fをキボンヌ。

表現面ですが、「Spiegel im Spiegel(鏡の中の鏡)」(後半の曲)の静かな曲調を損なわず、むしろ曲に引き込んでいくようなプログラム構成はお見事です。どう考えても宇野選手の本領って前半の曲の方だし後半の曲は無理くない?と思っていたのですが、そうでもなかった。

なお、振付の宮本賢二さんも使用曲を渡された時は途方に暮れていたようです。よく完成させたなと思います。てか編曲したのランビエールコーチですよね?てめぇで(振付)やれや!!!(ひどい口のきき方)

まあ過去の話は置いといて…宇野選手もグランプリファイナル進出が確定しました。グランプリファイナル、アナウンサーも町田樹に戻るし楽しみ。

演技の動画ですが…NHK特設サイトは私のX(Twitter)垢で固定にしています。そこからアクセスすれば見れるはず。 @Osaki_Makkura_C ←TwitterのID

あと11/26(今日)の13:20からエキシビションです。エキシビションの演目を変えてなければ鍵山選手の大傑作「ウェルテル」が見れるはずなので見てほしい。美の化身なので。

 

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