2023年7月3日 12:29 AM
#60
ゲスト
「ねえ、青い鳥は幸福の象徴じゃなかったの?ここにいれば僕たちは安泰に息を吸えるんじゃなかったの?」
何年前の話だろうか、僕がこの鳥の背に乗る旅路に加わったのは。少なくともそのころは彼の背は広大で、安心して身を任し雲の間を揺蕩っていられた。幾分もせず僕もすでに構築されていたいくつもの村に出入りするようになり、何もかもがある生活を楽しんでいた。地上の濃い過ぎる酸素では生きていけない者にとって、彼の背での暮らしはまさにしあわせだったのだ。
それが、どういうことだろう。気づけば数多くの住民に耐えられず、青い鳥は地に沈もうとしている。青い鳥は混乱の象徴となり、皆どうにかして上空にとどまろうと、息を吸える場所を探そうと必死だ。
僕はどうすればいい?今から気球でも作る?諦めて地上へ飛び降りる?それとも余命を数えながらこの鳥の旅路に最後まで付き合う?わからない、そもそも、こんなことを一人で決められる度胸もない。まだ住民がいそうな村に向かえば、だれか僕に道しるべをくれないか。
