mofusand(モフサンド)は猫のイラストとそのグッズなどのブランド名である。まあ、大まかに言うとそういうことになる。イラストを描いているのはぢゅのさん。Xのアカウントは上記。
なんとなく赤ちゃんぽい表情の二足歩行率高めの猫。サメなどのスーツを着ていたり、うさぎやエビフライの帽子をかぶっていることもある。体型がポチャポチャしている。
見たことのある方も多いと思う。今や猫キャラ戦国時代。それぞれ推し猫がいるかもしれないがモフサンドも大人気。新商品がこれでもかと追加されファンの財布は瀕死である。ポップアップショップが比較的全国的に展開しているのも個人的にポイントが高い。人気の証明でもある。
とはいえ私がモフサンドを知ったのはごく最近。Xでリポストされてきたサメにゃんの四コマ漫画を見るうちになんとなく可愛いという感情が芽生えた。
私は多分イラストだけでは好きにならなかったと思う。サメスーツを着た猫が二足歩行してマンションに1人暮らしして、時々色シャチスーツを着た友達と家で映画を観ながらスナック食べたり楽しそうに暮らしているのがいい。花粉症になったら病院に行くと犬のお医者さんがいるのがいい。何回も流れていく漫画を見ていたらかわいいという狂おしい衝動が生まれた。
ところで母がスマホデビューした。高齢化社会ではまだ若いのだろうが、パソコンに触ったこともない母である。使い方を教えるのに苦労した。ラインと通販のアプリを入れてあげた。ラインに自分の連絡先を登録してモフサンドのスタンプを送ると、自分も欲しいと言うのでモフサンドのスタンプを3種類入れてあげた。母へクレジットカードを持っていないが、ラインにはギフト機能がある。母は現在熱烈な猫派だが10年くらいまで犬派だった。猫の化けて出るイメージなどが嫌いだったらしい。しかし私の熱い布教にあっさり負けて、もはや犬派時代を忘れ去ってしまった。
私の実家で母の暮らす家は限界集落くらいの田舎である。最近中学校も小学校もなくなった。食品を買うのでさえ私の足でも徒歩20分くらいはかかるだろうか。近所は老人ばかり。どうやって買い物しているのかわからない人も結構いる。実家では幸い父が運転するので車で20分くらい行けばとりあえずスーパーがある。ここまで行って買えるのは食品くらいで、本、CD、衣類、食器あたりはほぼ買えない。
さらに言うと田舎の人間は意地悪だが娯楽が人の悪口しかないからだ。暇つぶしの道具は何も売ってないし、そもそも行けないし、テレビを見るしかない。時間帯によっては面白い番組もない。とにかく田舎で高齢化社会なのでインターネットを使える人間もいない。ちょっと体を動かそうかと散歩に出たら、なにか悪口のネタを探している人に見つかって根掘り葉掘り聞かれる。散歩と答えたら「用もないのにふらふら歩きまわっていた」と噂になるし、毎日買い物に行ったら噂になるし、家にいても噂になる。
母が東京に来たとき、徒歩圏内にコンビニがあって感動し、無印良品にはしゃぎ、ユニクロに興奮して外食できる店が選びきれないほどあって楽しんでいた。
今はなかなか東京に来られないがモフサンドのスタンプにメロメロになって追加でいくつも買った。グッズがあることを知ると、あれもこれもというので山ほど買った。「こんなにかわいいものがあるなんて知らなかった」と最近楽しそうだ。モフサンドのグッズは実用品も多く毎日使える。極端な田舎では世間で流行っているものもほとんど目にすることがない。生活必需品だけで人間が生きていくのは困難だ。モフサンドは通販の箱もかわいい。大事に保存しているらしい。
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