目指すは昼寝王国『伝説の勇者の伝説』

シオン・アスタール陛下
銀髪長髪男性総選挙
79位おめでとうございます!!

「投票してくれたみなさま、ありがとうございます。
この度は数多くいるキャラの中から121票もの投票を頂き、光栄の極みです。
これからも『伝説の勇者の伝説』共々応援して頂ければ、とても嬉しいです」

 

なんてこと言いそうだな。

シオン・アスタールは『伝説の勇者の伝説』に登場するキャラクター。
ローランド帝国現国王であり、完全無欠眉目秀麗な英雄王。

が、国民から見たシオン・アスタール像。

親友であるライナからは「極悪非道のいぢめっ子王」と呼ばれており、ライナに様々な無理難題をやらせる為にあの手この手で彼を働かせている悪魔である(ライナ談)

今日はそんなシオンのランキング入りを祝して『伝説の勇者の伝説』の紹介をしていきます!

『伝説の勇者の伝説』

伝説の勇者の伝説』通称『伝勇伝』は、富士見ファンタジア文庫から2002年2月より刊行されているライトノベルシリーズ。
著者は鏡貴也。イラストはとよた瑣織が担当している。

この作品は富士見ファンタジア文庫の第4回龍皇杯優勝作品(『EME』とのW優勝だった)で、2010年にはアニメ化もされた人気シリーズ。

公式キャッチコピーは
アンチ・ヒロイック・サーガ

伝勇伝には4つのシリーズがあり、本編である「伝説の勇者の伝説」、本編の幕間を描いたギャグ満載の短編「とりあえず伝説の勇者の伝説」、シオンを主人公としたローランド帝国国王になるまでの革命の物語「真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説」、そして本編の続編である「大伝説の勇者の伝説」がある。

メディアミックスも多数行われ、コミカライズが5つ、アニメ化前にドラマCDとPSPでゲーム化もされている。
2010年に放送されたアニメは2クール全24話で「伝説の勇者の伝説」全11巻をすべてやり切った。
大伝勇伝が始まっていたこともまり、大伝勇伝の内容まで一部盛り込まれ、これでもかと詰め込まれていた。
ただ、「伝勇伝」自体が「大伝勇伝」のプロローグなので、アニメだけ見た人は消化不良になっちゃうと思います…。どうかアニメを見終わったら原作の方もよろしくお願いしますね!


「伝説の勇者の伝説」PV第1弾

ストーリー


伝説の勇者の伝説1 昼寝王国の野望

ライナ・リュートはやる気が無かった。
ローランド帝国王立特殊学院は、国からつま弾きにされた者たちを、戦争の道具として教育するための施設。そんな戦争と一番近い場所で、ライナは断トツの落ちこぼれであった。

ただ毎日惰眠を貪り、日々を怠惰に生き続けていた彼の前に現れたのは、現国王の愛妾の子、シオン・アスタール
彼はライナに手を差し伸べる。

「俺がこの国の王になってやる。そして全てを変えてやる。だからライナ。俺についてこい。俺がおまえがかつて望んだ世界をつくってやるよ」

「俺といこう。ライナ」

やがて戦争がはじまり――そしてライナは投獄された。
2年間の投獄の後、釈放されたライナの目の前にはローランド帝国国王になったシオンの姿があった。

シオンはライナに伝説や御伽話で勇者などが用いたとされる『勇者の遺物』の探索を命令。
相棒に絶世の美女で剣の達人であるフェリス・エリスをつけ、かくして二人は無理やり世界各地に散らばる『伝説の勇者の遺物』を探す旅に出ることになるのであった――。

以上が本編第一巻「昼寝王国の野望」のあらすじ。
ここからライナとフェリスの「勇者の遺物」を探す珍道中がはじまります。
そしてシオンはローランドを真の意味で平定する為、内政を頑張ります。

結局まともに「勇者の遺物」を回収できないまま、とある国で大洪水が発生。
そのままライナとフェリスはローランドへ漂着。
シオンに無理難題な仕事の山を押し付けられ、ライナが家出したり、臨死体験をしながらも穏やかな日々が続きました。

しかし確実に勇者は狂っていきます。
そして平凡な日々は終わりを告げ、世界は戦争に飲み込まれて行きます――。


「伝説の勇者の伝説」PV第2弾

キャラクター

※CVはアニメ版のみ記載

ライナ・リュート


CV.福山潤
本作の主人公。
昼寝を何よりも愛する万年無気力男
常に寝ぐせのついた黒髪に、眠たげな黒い瞳。猫背の長身痩躯からはやる気のやの字も感じられない。
極度の面倒くさがりで、放っておくと一日中何もせずにダラダラ寝て過ごすが、彼の周りがそれを許してくれない(主にシオンによって)。

彼が投獄中に書いた『勇者の遺物』に関するレポートを読んだシオンによって、世界中の『勇者の遺物』探索を命じられる。

魔眼『複写眼アルファ・スティグマ』保持者であり、それにより幼いころから“化物ばけもの”と忌み嫌われてきた。
本来なら幼少期に暴走して宿主は死ぬのだが、ライナは暴走状態から戻れる珍しい資質から、国から研究対象として生かされてきた。
5歳の頃から特殊な訓練施設を渡り歩き、体術、格闘術、暗殺術のすべてを収めており、特に魔法に関してはあらゆる魔法を読みとれる『複写眼』の力と本人の資質から『ローランド最高の魔術師』と呼ばれるほどに。

幼い頃から“化物”だと忌み嫌われ、恐れられ、そして実際に暴走して人をたくさん死なせてしまった過去から、親しい人物を作らないように周りと距離を置いてきた「死にたがり」。
しかし根はお人好しで、人が好きで愛されたい寂しがり屋
『複写眼』持ちであることを知りながらも、自分に手を差し伸べてくれたシオンと、こんな自分でも「死んだら寂しい」と悲しんでくれるフェリス。
そんな二人のに救われ、彼はシオンを救う為にフェリスと共に新たな道を歩き出す――。

昼寝を愛している。

フェリス・エリス


CV.高垣彩陽
誰もが振り向く絶世の美女
艶やかな金色の長髪に、青く澄んだ切れ長の瞳、この世のものとは思えぬ美貌。
しかしその顔は常に無表情で、さらに華奢な身体に見合わない長剣を腰に差している。

エリス家は代々ローランド帝国国王を守る『剣の一族』であり、彼女も幼い頃から虐待に近い剣の修行を行ってきた。
その為、その身体能力と剣の腕は超人レベルであり、その神速の剣は魔方陣を斬り、雷すらも斬り裂く。

異常なまでのだんご好きであり、おやつどころか三食だんごな程のだんご狂いだんごがゲシュタルト崩壊する。
様々なだんご店を渡り歩いているが、特にローランドの「ウィニットだんご店」を贔屓にしている。シオンにはよく「ウィニットだんご店を営業停止にするぞ」と脅されては、ライナを無理やり引きずって働かせている。
この横暴に対しては、ライナと意見が一致しており、常にシオン暗殺計画を実行しようと二人で画策している。

シオンの護衛につくの命令で(だんご店を人質に取られ)ライナと共に『勇者の遺物』の探索の旅に出ることに。
ライナのことはシオンから「六歳にして年増好きのマダムキラー」と(半分嘘を)吹き込まれ、徐々に色情狂扱いに変化して行き、日々愛読書から得た知識であらぬ妄想を繰り広げては、ライナを変態だと世に広めまわっている。
すぐに手が出る暴力娘であり、気に入らないことがあったり、だんごを蔑ろにされる度、とんでもない速度でライナを殴り飛ばすのがお約束になっている。

しかしそんなライナとの旅が存外楽しいらしく、彼女は徐々にその無表情から感情をにじませる様になっていった。
ライナの『複写眼』が暴走し、辺りを破壊していく中フェリスは逃げることなく、ライナに向き合った。「お前は私の相方で奴隷で茶飲み友達だ」と言い、必死に帰ってこいと叫び、ライナを呼び戻した。
以降も二人は絆を深めていく。
周りからは只の無表情でも、ライナには彼女の笑顔も苦しみも悲しみも、分かるようになった。
ただ一つ。彼女がライナに向ける、彼女も理解していない感情を除いて――。

だんごを愛している。

シオン・アスタール


CV.小野大輔
ローランド帝国現国王。
前国王の愛妾の子であり、腐敗しきった貴族社会を打ち倒す為に立ち上がり、革命を成功させた英雄王
銀色の長髪に、意志の強そうな金色の瞳。カリスマ性も持ち合わせ、その端正な顔立ちから、民からも人気の若き国王。

誰もが平等で、争いのない国」という理想の為に、日々寝食を削って働く仕事の鬼
理想の国作りの為に邁進するも、その中で生まれる犠牲に心を痛めながらも、周りには完璧な王を演じ続ける。その為、誰にも弱みを見せず、自分の内に抱えてしまう悪癖がある。

最初は『複写眼』目当てでライナに近づいたが、色眼鏡で自身を見ないライナに徐々に心を許し親友になっていく。日々完璧な王を演じ続けているが、ライナにはいたずらっ子でお茶目な面を見せ、日々無理難題を押し付けては楽しんでいる。
しかしそんなライナにも言えない秘密があり、やがてそれは二人の関係に大きな亀裂を作っていく――。

ライナが一番大切な存在。(愛してる)

ルシル・エリス


CV.杉田智和
フェリスの兄で、代々ローランド帝国国王を守る『剣の一族』エリス家現当主。
気配無く現れ、音も無く消える。一瞬で全てを切り刻む神出鬼没の化物。

シオンに王になる資質を見出し、新たなローランド国王に据えるため暗躍
シオンが王になった後は、彼を守りながらも常に彼の心を見透かしもてあそんでいる。

全ては自身の目的の為。
エリス家は剣の腕を磨き続けることのみを追求する一族であった。
その為に一族同士で交わることで、優秀な子を残し続けてきた。
出来損ないに居場所はなく、見切られれば殺される。
そんな地獄でフェリスは出来損ないと見限られた。しかし女であったことから殺されることなく14歳まで生かされた。すべては優秀な子種を残すため。

その日ルシルは人間をやめた。そして両親をその手にかけた。
全ては妹を守る為に――

フェリスを愛している。

ミラン・フロワード


CV.諏訪部順一
シオンの前に突如現れた黒い男。
長く美しい黒髪の持ち主。
彼の王道の闇の部分を自分が担うと自ら志願し、不穏分子の排除、そして敵対貴族の大粛清など、シオンが躊躇ってきた「汚い仕事」を一手に引き受け、そして完遂している。

聖騎士ハルフォード・ミランの子孫で、ミランが影の王の刺客から奪ったとされる勇者の遺物『黒叡の指輪』を使う。その能力は影を操るもの。犬に似た影の獣『影狼』を生み出す。影狼のスピードはフェリスをも上回り、何度もライナとフェリスを追い詰めている。

彼は自分と同じ“”を背負いながらも、光の道を進むシオンに強く惹かれた
そんなシオンの行く末を彼の影となり一番近くで見続ける為、様々な策謀を張り巡らせる。
シオンのライナに対する妄執を断つためにライナを殺そうと画策し、さらに自分よりも陛下の側で彼を守る影の存在であるルシルから、その座を奪うために殺そうとした。
もうただのヤンデレストーカーだョ…

陛下シオンを愛している。

リューラ・リュートルー


CV.小山力也
突如ライナの前に現れ、彼を殺した男。
その正体は、かつてローランド帝国で隆盛を誇った、大貴族リュートルー家当主。
「魔法の天才」であり、今のローランドの魔法の基礎を作り上げた男。

そんな天才は一人の平民女性との出会いによって、愛に生きる道を選んだ。
彼女が貴族から軽んじられないよう、彼は今まで以上に魔法研究に没頭し、王立魔導研究所の最高位にまで登り詰めた。
これによりリュートルー家に文句をつける者はいなくなり、愛し合う二人の愛の結晶である一人息子のフェルナも生まれ、全ては順風満帆かと思われた。
5歳になったフェルナの『複写眼アルファ・スティグマ』が覚醒するまでは――。

全ては愛すべき息子を死の運命から救う為。

フェルナを『悪魔ライナ』にし、妻を、世界を生贄に捧げ、彼は人間ではなくなった。

息子ライナを愛し狂った男。


主要人物の中から数名紹介させていただきました。
多少男性に偏っているのは気のせいだと思います……。

主要人物の中でも、特に「に狂った」人々をピックアップさせていただきました。

伝勇伝の登場人物は皆、誰かをしています。
様々なの形がありながらも、皆純粋にその人をしているのです。

そんな“”が、この作品の大きなテーマの一つだと思います。

シオンとライナの危ない関係

完璧で究極の英雄王には、とある噂があった。

「アスタール様は女性には興味がないのよ……」

「陛下がいつまでも結婚なされないのは、どうやらそういうご趣味だからだとか…」

「陛下の寝室には黒髪の男の人がいて……あんなことやこんなことが……」

その噂は何と「シオン・アスタールは男色家」という信じられない内容であった。

ローランド帝国国王シオン・アスタールは非の打ちどころのない完璧な王様であった。

ただ一つ。
“お世継ぎがいない”
という点を除けば――。

世継ぎどころか、結婚もせず女性との浮いた話も一切ない。
事態を重く見た側近のフロワードは、幾度も彼の執務室へ美女を送り込むがことごとく失敗。
シオンは女性と関係を持つことを、異常なまでに拒んできた。

そんな中流れ出した噂が「シオン・アスタールは男色家」というものであった。
ある女性が陛下の寝室のベッドで横になっている男を見たと話したのだ。
数多の女性が陛下に言い寄るも、誰も彼の寵愛を受けることが出来なかったのは、既に心に決めた相手が存在していたからだったのだと。

では、その相手とはいったい誰なのか……。
シオンの側近は揃いも揃ってイケメン揃い。
そんな側近たちの間で話題になっているのが、最近突然シオンの周りをうろつき始めた男である。

そのタダ飯ぐらいの昼寝男が現れた頃から、シオンの男色家疑惑が流れ始めたのだ。
シオン自身も異様にその男を気に入っているようで、何をしているのか二人で執務室に閉じこもっては数日出てこないこともざら。
そんな二人を怪しむなと言う方が無茶と言うもの。

果たしてその恋の行方は――。

 

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え?なんでここで腐女子大学過去問の宣伝をするのかって???
むしろここしかないでしょ^^

ちなみにシオンとライナの関係は公式で散々ネタにされてきており、

ドラゴンマガジン2004年11月号より
こんなのや……

ドラゴンマガジン2007年10月号より
こんな公式絵まで存在する……
改めて考えるとすげぇな……

お互いに互いを大切な存在だと思っており、その想いは友情よりもさらに重い。

しかし運命は二人を引き裂いた。

シオンはライナを救う為、そしてライナはシオンを救う為に、別々の道を歩き始めるのであった――。

御伽噺

物語の舞台である「メノリス大陸」には、とあるお伽噺がありました。
それは地域によって結末は変わるものの、基本は同じ『女神』と『勇者』と『悪魔』の物語――。

昔々あるところに、『勇者』が生まれました。

『勇者』は生まれつき大きな力を持っていました。

しかしその大きすぎる力は彼独りで抱えられるものではありませんでした。

やがてその大きな力を抱えきれなくなった『勇者』は狂い、黒く、深く、沈んでしまいます。

そして『狂った黒い勇者』は思いました。

この黒で、すべてを染めてやろう。

なにもかも台無しにしよう。

『狂った黒い勇者』は狂っているのです。

彼はその剣で、すべてのものを黒く塗りつぶしました。

しかし足りません。どれだけ食べても足りません。

彼はさらに『女神』を食べて殺そうとしました。

『女神』が守る『何か』に手を出そうとしたのです。

『女神』は必死に抵抗しました。

そして『人間ニンゲン』という名の、結界を作ったのです。

その結界によって『狂った黒い勇者』を南の地に封印しました。

しかし、『狂った黒い勇者』は諦めませんでした。

すべてを黒く塗りつぶしてやる。

彼はそう唱え続けました。

その声を聞いているものがいました。

『狂った黒い勇者』が封印された南の地には、悪魔が住んでいたのです。

彼は生まれながらに孤独で、寂しくて、泣き叫んでいました。

そんな悪魔の住処に『狂った黒い勇者』は追いやられてきました。

悪魔は歓喜しました。

まさか自分の暗い住処に、誰かがやってくるなんて思ってもいなかったのです。

自分のあまりに大きすぎる力に孤独を感じ、泣き叫んでいる『狂った黒い勇者』に悪魔はひどく同情しました。

自分も孤独なんだと。

きっと僕らは友達になれると、悪魔は言いました。

『狂った黒い勇者』はずっと、狂ったようにすべてを台無しにしてやると叫ぶだけでしたが、それでも悪魔は喜びました。

仲間がいる!

もう独りじゃないんだ!

悪魔はそう叫んで、踊り、歌い続けました。

そんな哀れな悪魔の心を

『狂った黒い勇者』は利用します。

《ここから出たい。出るためには君の力がいる。君の半身をくれないか?君の半身を食べさせてくれないか?》

それに寂しがりの悪魔は答えます。

《いいよいいよ。いいよいいよ。君は僕のはじめての友達だからね。君のためなら、僕の半身くらい、なんてことないよ。》

寂しがりの悪魔は自身を二つに分け、『狂った黒い勇者』はその半分を食べました。

『狂った黒い勇者』はその力で、『女神』の封印を破るための術を編み出しました。

それは『人間ニンゲンα』と言う名の、魔法でした。

その『人間ニンゲンα』を操って、結界である『人間ニンゲン』を破るのです。

人間ニンゲンα』は『人間ニンゲン』を殺し、国を作り、侵略を続け、『女神』のいる中央へ。

『狂った黒い勇者』は『人間ニンゲンα』が作った道を進みます。

途中『女神』たちは悲鳴を上げながらも、必死に抵抗しました。

しかしすべて『狂った黒い勇者』に食べられてしまいました。

そしてついに『狂った黒い勇者』は、『女神』が守ってきた『何か』を手にします。

もちろんそれも『狂った黒い勇者』は食べてしまいます。

しかし『何か』の力はとても強大で、『狂った黒い勇者』の手に負えるものではありませんでした。

『狂った黒い勇者』はまた叫びました。

助けてくれ。

世界をなにもかも台無しにしたいのに、その前に死んでしまう。

助けてくれ。

誰かこの闇を、この痛みを、代わりに引き取ってくれ。

《じゃあ僕の残りの体を使うといいよ。ここに闇を入れるといいよ》

親友の叫びに、寂しがりの悪魔は答えました。

そして『狂った黒い勇者』は悪魔の残り半分も食べてしまいました。

そして自分の中にある『何か』の、悪い部分をすべて、寂しがりの悪魔に押しつけました。

寂しがりの悪魔はそれで終わりでした。

永遠に続く痛みと、孤独。

でもそれでも、寂しがりの悪魔はそれほど後悔はしませんでした。

一瞬でも、友達ができたから。

一瞬でも、友達のために生きられたから。

寂しがりの悪魔は、馬鹿なのです。

どうしようもなく、馬鹿なのです。

そしてすべては終わりました。

『狂った黒い勇者』が狂ったように笑い、すべてを台無しにしました。

いままでの世界の何もかもが終わり。

再び生まれ変わります。

寂しがりで、孤独で、愚かな悪魔だけは生まれ変わらず、永遠の苦痛の中で悲鳴を上げ続けました。

引用:大伝説の勇者の伝説2 明日をも知れぬ大合戦(一部要約)

大伝説の勇者の伝説

大伝説の勇者の伝説1 行く先未定の大逃亡

全11巻をかけて描かれた「伝説の勇者の伝説」は「大伝説の勇者の伝説」の序章に過ぎません。

物語は第二部「大伝説の勇者の伝説」から大きく動き始めます。

「伝説の勇者の伝説」ではローランド帝国を中心に人間関係――特にライナとシオンとフェリス、この三人の絆の結びつきを丁寧に描いてきました。

しかしシオンは大きな秘密を抱え続け、そしてそれにライナは気付くことが出来ませんでした。

結果、伝勇伝ラストで二人は大きな別離を迎えます。

しかしライナは諦めません。

物語開始当初の、死にたがっていた頃のライナなら、諦めていたかもしれません。

しかしフェリスと旅立ち、彼女に救われたライナは、もう簡単には死にません。

そして大事な親友の事も諦めません。

ライナはシオンを救う為に、フェリスと共に旅立ちます。

それはとても大きな、世界を賭けた戦いの始まりでした――。

御伽噺で語られる、女神と勇者の戦い。それを裏から操るさらに大きな『何か』。

そしてそれに抗う『人間』たちの戦いが始まります。

伝勇伝は中学の頃から読み始めた作品で、思い入れもかなり大きな作品です。

出会いは小6の大晦日に買った「ドラゴンマガジン」で、当時「スレイヤーズ」目当てで買い始めたんですが、どの作品も面白くて毎号楽しみにしていました。
フルメタル・パニック」「魔法剣士リウイ」「スクラップド・プリンセス」「まぶらほ」などなど、人気作も多かった時期で、その中でもドラマガで短編を連載していた「伝勇伝」と「EME」にドハマりしました。

EME」……ほんとめっちゃいい作品だったんですよ……。
長編の続きが出ずに、BLUEはもう20年……。
短編は完結してるんですが、もう長編の続きは出ないんですか…?

割と真剣にBLUEはもっと読みたかったです…三木也大好き…

話は戻って「伝勇伝

中学生という多感な時期にハマったわけですが、腐女子化する寸前にハマったので、実はそこまでBL意識して読んだことなかったんですよね。
アニメ化後、支部でシオンとライナのCPが増えた時は、隣の庭を眺めてる感覚でしたw
だって読み始めた頃ってまだ「伝勇伝」も途中で、まさかこんなライナとシオンがとんでもないことになるなんて思ってなかったんだもん!!!!
シオンが世界とライナを天秤にかけるなんて、クソ重設定出てくるとか思ってなかったんや!!!
シオンがライナに向ける感情がそんなクッソ重たいなんて知らんかったんやー!!!

「ライナ、俺はお前を食いたい」
とかそんなド直球なセリフ、本編で出てくるなんて想像も出来んかったんや!!!
いや、確かに1巻からちょいちょい怪しいセリフはあったけど…。
まだ腐女子じゃなかった、純粋だった少女には読み取れやんかったんや……。
友情やと……思ってたんや……。
いやまぁ友情なんですけど。鏡先生お得意の重すぎる男同士の友情です。

そんなわけで私は買い始めた当初から根っからのライナ×フェリス派なもので、紹介でもフェリス贔屓目だった気がしますw
ミルクキファの紹介省いちゃったもんな…贔屓が過ぎた…。
ちなみにピアも大好きです。
蒼の公主ひめサイコー!

ドラマガ買い始めた時期がちょうどイェット編だったのもあり、大伝勇伝でのヴォイス登場はかなり驚きました。まさかヴォイスがこんな主要人物になるとは想像できんかったわい。
イェット共和国をまとめあげた詐欺組織の総帥で、その正体は真正の「変態」。
ショタっ子変態マゾ野郎(15歳)です。
ヴォイス・フューレル
短編にしか登場しておらず、本編には未登場だったので、本編しか読んでないと突然出てきた怪しすぎる人物なんですよねw

伝勇伝って大伝勇伝になってから、短編や短編収録の書き下ろしにしか登場していないキャラが出てくるので、読むならば発行日順に読むか、伝勇伝読了後、短編の「とりあえず伝説の勇者の伝説(通称:とり伝)」を読むのがオススメです!

番外編の「堕ちた黒い勇者の伝説」は大伝勇伝後の刊行の為、こちらは発行日順に読んでもらうのがオススメです。様々なキャラのバックボーンをより詳しく知ることができます。

「伝勇伝」の魅力は何と言っても、個性豊かなキャラクター達が織りなす『人間』ドラマ。
伝勇伝に登場するキャラ達は皆、生まれた育った環境は大なり小なり地獄でした。
そもそもこの世界自体が、そう作られていました。
しかしそんな中でも、同じ境遇の者同士で手を取り合い、協力し、運命に抗って生きてきました。
どんな地獄でも、そこに人間がいる限り、人々は笑い合えるのです。
どんなに終わっている世界でも、人と人は愛し合えるのです。

伝勇伝は人間賛歌の物語なのでしょう。
『女神』によって作られた、封印装置でしかなかった『ニンゲン』が、感情を持ち愛し合う。
そのこそが、この狂った世界を打ち破る。
きっとそんな物語。そんな結末に…なると…いいなぁ……。

「大伝勇伝」も最後の17巻が出て、気づけば早6年……

6年!!!???嘘でしょ!!!???

作者の鏡貴也先生は現在ジャンプSQ.で「終わりのセラフ」を絶賛連載中!!!
なので、気長に…気長に……

伝勇伝の続き…いつまでもお待ちしております。
EMEと違って作者失踪してないから大丈夫。安心。

まぁ「まるマ」も14年待ってるし、全然ヘーキヘーキ
ホントまるマもいつ出るんだろーね

「大伝勇伝」は特に次巻が最終巻(予定)なので、めっちゃ気長にいつまでも待てます!!
もうホント一生待てます!!
待てるのでセラフ落ち着いたら、伝勇伝よろしくお願いします!!!

もう17巻ラストがとんでもない終わり方したせいで、読んだ日は夜寝れなかったですわよ。
まさかそれからもう6年も経ってるだなんて…月日の流れ早すぎない??????

間にファンリビがあったから、そんなに待ってる気がしないのかな??
ファンリビもホントとても良いゲームでした。

スマートフォンアプリ「ファンタジア・リビルド」

2021年12月17日サ終。一年のサービスでしたが、楽しい作品をありがとうございました…。

ファンタジア文庫の作家描きおろしのクロスオーバー作品、あんな良質なストーリーがタダで読めるとかホントどーかしてましたよね。
さらに描きおろしイラストも盛りだくさん。夢のようなアプリでした。

そんなわけで、なんかこういつも通り話がとっ散らかって来ましたのでまとめに入ります。

今から読んでも最終巻に間に合う!!

「伝説の勇者の伝説」シリーズをぜひ!!

みんな大好きな重すぎる男の友情物語です!!

ぜひぜひ!!!お読みください!!

 

 

 

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