全日本フィギュア 男子ショート(SP) 感想

こんころ。風邪が7割くらい治ったここあにゃんです。でも咳する度に脇腹が痛い。

今日は全日本フィギュア、男子ショートの感想です。

海外派遣常連の選手にとってはシーズン後半を左右する重要な試合、国内大会中心の選手にとってはシーズンを通して最高峰の試合ということで、日本選手は大抵ここにピークを合わせてきます。

そんなわけで、神演技がかなり多かった。少しずつ紹介していきます。

1.高橋星名 SP68.28 19位

ジュニア推薦だと多分最年少の子ですね。13歳。

実力があり、注目もされていた選手だったのですが、ジュニアグランプリシリーズには出られず…しかし、全日本ジュニアで結果を残してここまで上がってきました。

SPでは1番滑走という、なかなかプレッシャーのかかる滑走順。しかし、見事ほぼミスなしに収めました。3Aも決まったし。

まだジュニア1年目ですが、スピンのスムーズさには目を見張るものがあります。スピンはシニア日本男子の課題と言えるところなので、そこがこの年齢でクリアできてるのは大きいかも。

2.田内誠悟 63.89 23位

こちらもジュニア推薦組。コーチは2007年及び2011年世界選手権の世界選手権で優勝した他、2度のオリンピック出場歴も持つ安藤美姫さん。

振り付けも安藤さんのようですね。田内選手の長い手足を活かした、空間を支配するような振り付けが印象的です。3Lzはガッツリエラーでしたが、ジュニアなら修正も間に合うでしょう。コーチにもフリップのエッジを修正した過去がありますし。

3.周藤集 74.61 13位

ジュニアグランプリシリーズなどにも出場はしているものの、なかなか完璧な演技を見せられなかった周藤選手。しかし、今回はジャンプを全て揃えました。

ドラマティックなパワーのある音楽に負けない、力強い演技が印象的。それを下支えするスケーティングもよく伸びるものなので、全体として伸びやかで迫力のある滑りに仕上がっていたと思います。体の柔軟性もまあまあなので、スピンのグダグダ感もないのが◎。

4.櫛田一樹 75.54 12位

今シーズン限りでの引退を表明している櫛田選手。集大成となる最後の全日本で、見事フリーの後半グループに入りました。これの何がいいって、地上波に乗るんですよ。全国のお茶の間に自分の演技を届けられるわけです。

演技の方ですが、振り付けに溶けこむような3Loが好印象。男子は強豪になると4回転ばっかりになって、入りにしても割とお決まりのもの(難入りも含む)になってしまうので、試合でのこういうジャンプは割と貴重。

5.杉山匠海 SP71.68 15位

スケートが上手いスケオタとして有名な杉山選手。Twitterも現役選手の中では割と趣味寄り。

プログラムにも彼の愛してやまないロシア女子のエッセンスがちりばめられています。特に両手タノで跳ぶ3Lz+3Tは象徴的。体もかなり柔らかいので、柔軟性に富んだスピンだってできます。流石にキャンドルはしないけど…。

6.中村俊介 SP80.16 9位

今年がおそらくジュニア最終年度の中村選手。ジュニアグランプリシリーズでは不調でしたが、全日本ジュニア優勝に加えこの全日本SPでは4Tと3A両方に成功するなど、国内大会では極めて好調です。冬が好きなのかも。

7.山本草太 SP94.58 2位

グランプリシリーズでは初戦1位だったものの2戦目で成績を落とし、ファイナル進出を逃してしまった山本選手。しかし、その分全日本では成績を上げて来ました。

2種の4回転と苦手な3Aを降りることにかなり集中していたのか、山本選手にしてはやや動きが硬かった印象。とはいえ、振り付け自体はそつなくこなせていたので得点に見合った演技内容ではありますね。

8.三浦佳生 SP93.91 4位

絶不調だったもののなんとか乗り切ったグランプリファイナルから2週間。無理に調子を戻そうとしたためか、むしろ体調が悪化してしまった様子。とはいえ、SPはミスなく乗り切った…はずでした。

スピンノーカンさえなければ。

はい。またしても、です。どうして…。しかも問題だった腰の高さはおそらく修正できてる。どうやら基本姿勢の2つ目、シットビハインドに問題があったようですが…選手本人からも抗議が出ていますし、公式からの詳細な説明が欲しいですね。

9.佐藤駿 SP89.80 5位

どうして…(part2)。

今シーズンで一気に実力を伸ばしてきた佐藤選手ですが…シーズンを通しての課題、4Fでエッジエラーを取られてしまいました。今まではアテンションで済んでいたのもあり、佐藤選手自身もかなり同様していた模様。これを機に構成を変えるかも、とも発言していました。

冒頭の4T+3Tでややぐらついてしまったのもあり、技術点では伸びを欠く結果となりました。演技構成点は宇野鍵山の2トップには届かないものの、他のトップ選手とは並んでいるので悪くない方。とはいえあと1~2点くらいは欲しいところ。

10.大島光翔 SP66.89 20位

手品師です。衣装からスター、キノコ、ファイヤーフラワーを出していました。そう、演目はスーパーマリオブラザーズ。当然のごとく小道具の使用で警告を受けました。一応先述の小道具たちも衣装の一部になってるようではあるんですがね…。

11.友野一希 SP86.88 6位

浪速のエンターテイナー(虎党)こと、友野選手。今年のSPは日の出を思わせるような、爽やかなプログラム。私的には早朝に河川敷でランニングしてるイメージ。私は通学以外で早朝に外出とかしたことありませんが…(←おい)。

2種の4回転こそ完璧とはいきませんでしたが、3A前の繋ぎから演技終了までの曲表現はお見事といったところ。グランプリシリーズでは3AやStSqがことごとく上手くいかなかったので、ここで決まったのは嬉しいですね。

全日本でのA.R.Eは割と無理そうですが、世界選手権への切符はまだ掴めそうな範囲。自ら”新境地”と称するフリーで巻き返してほしいですね。

12.鍵山優真 SP93.94 3位

今シーズンで本格的な復帰を果たした鍵山選手。ここまでは割と絶好調だったのですが…ここでまさかの4S転倒。とはいえ、スケーティングの質や一つ一つの技術要素の盤石さもあり、なんとか3位に留まりました。フリーに綻びが出ないことを祈るばかり。

13.宇野昌磨 SP104.69 1位

今シーズンを王者として迎えた宇野選手。グランプリファイナルでは連覇を逃したものの、依然として世界トップクラスの選手には変わりありません。今回もしっかり国内首位をキープしました。

演技の方ですが…宇野選手の強みである独特のスケーティングや体捌きをこれまた個性的、独創的な曲のリズムの中に落とし込んだ良い仕上がりになっていると思います。テーマは、宇宙…なんですかね?宇野選手比では浮遊感もある方ですし。

14.吉岡希 SP85.27 8位

シニア初年度でいきなり全日本男子ショートのトリを飾ることになった吉岡選手。しかし、プレッシャーのある立場ながらその実力をいかんなく発揮してくれました。3Aこそやや危なかったものの、全体としてスケールの大きな良い演技になっていたと思います。大御所の宇野選手が演技した後で、これだけ堂々と演技できるのは大物かも。

といったところで、男子ショート感想は終了。フリーは土曜日です。金曜日の今日は女子ショートがあります。フジテレビで19時に待機してね。

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