こんころ〜。
4日連続開催の全日本フィギュアを見守るこちらのブログ、2日目は女子SPの感想となります。サムネは上薗選手の仕様楽曲「New moon」に合わせてNEWM00Nなダークライにしました。それでは早速感想へGO。
1.本田真凜 SP44.42 28位
最初はほんまりにします。話題性もあるし私も好きなので。
全日本直前に体を痛めてしまった本田選手。とはいえ、大学生として最後の全日本。これで現役を終える可能性も考えると出ないという選択肢はなかったのでしょう(※今後の進退はまだ不明)。
ジャンプは不調もあり、あまり良くはありませんでしたが、スピンやステップ、持ち前の表現力で魅せてくれました。スパイラルなど、一つ一つのポジションの美しさが生きたプログラムに仕上がっていました。
2.上薗恋奈 SP66.22 6位
ジュニア1年目にして、ジュニア女子のトップを争うほどの実力を持つ上薗選手。その強みは、”全て”と言っていいでしょう。ほとんどの技術要素が完成されている上に、表現力まで付いてきています。
SPは儚げな前半とダンサブルな後半で曲がガラリと切り替わるのですが、その雰囲気の違いがよく表現できていると思います。どちらかではなく、どちらも問題なくこなせるのは素晴らしい。
その中で繰り出されるジャンプも、完璧と言っていいほどの仕上がりです。3F+3Tのみやや助走が長く感じられますが、ジャンプ自体のスムーズさなどを考えれば許容範囲内でしょう。ステップとスピンもレベル判定がやや厳しい中でレベル3~4に揃え、見事最終グループ入りを果たしました。上位6人の中では比較的ミスの少ない選手ですので、表彰台候補と言っていいかも。
3.千葉百音 SP68.02 3位
シーズン前半はかなりの不調だった千葉選手。その原因は「スポーツ喘息」だったようです。フランス杯でやたら呼吸がしんどそうだった原因もこれかな。
治療を受けてから臨んだ全日本。フランス杯は多分悪い夢だったんだね…と思うくらいのパーフェクトな演技を見せてくれました。苦戦していたジャンプも、今回は完璧。ステップのレベルは微妙でしたが、スピンの加点で帳尻は合うでしょう。昨シーズンの全日本5位、四大陸3位という戦績に恥じない貫禄の演技でした。SP「黒い瞳」はそれまでの彼女が得意としていた表現から大きく離れたダンス系のプログラムなのですが、かなり上手くやった方なのではと思います。
4.渡辺倫果 SP63.66 8位
3A復活を志す渡辺選手。しかし、SPは堅実にまとめてきました。
2A、3Lzは問題なく着氷したものの、3Lo+3Tは両方回転不足。渡辺選手にとっては十八番と言えるジャンプですが、ループジャンプの性質上詰まりやすくもあるんですよね…。これが響き、SPは8位フィニッシュとなりました。
スケールの大きさなど光るところも多い選手なので、なんとかフリーで挽回してほしい…。
5.島田麻央 SP65.23 7位
その時、歴史が動いた!なんて見出し書いてるところまで未来視してたんですが…(←おい)。
ジュニア女子カテゴリでは未だ無敗の島田選手。今年の全日本では、ジュニアではルール上不可能なSPからの3A投入を宣言していました。そして宣言通り、3Aは見事成功。その後の3Fも完璧に決めました。
しかし、プレッシャーがかかったのか…3Lz+3Tのファーストジャンプでまさかの転倒。コンビネーションが抜けた上に転倒という、痛いミスをしてしまいました。
それでも7位なので、FSの構成を考えれば表彰台までの逆転には現実味があります。JGPFに続き、全日本でも4Tが決まることを祈りましょう。
6.坂本花織 SP78.78 1位
2022年以降、世界選手権と全日本選手権の玉座を守り続けている坂本選手。欠落していたグランプリファイナルの玉座も持ち帰り、向かうところ敵無しです。
そんな女王の唯一の弱点が3Lzのエッジだったわけですが…全日本では直してきましたね。代わりにちょっと着氷危なくなったけど。
演技の方はというと…いつものことですが、とにかくスケールが大きい。高さ、幅共に他の選手の追随を許さない2Aを筆頭に、大きな技が揃っています。技術要素だけでなく、繋ぎも含めた一つ一つの動きが空間を大きく使っているので、結果的に演技構成点も伸びていくんですね。
7.松生理乃 SP58.97 12位
スケートカナダでは補欠出場ながら3位という好成績を収めた松生選手。その強みは坂本選手に勝るとも劣らないスケールの大きさと体の柔らかさからくるポジションの美しさにあるでしょう。今回もその強みをいかんなく発揮してくれました。2A前後の動き好き。
が…コンビネーションの転倒に加え、まさかのスピンノーカン。元々取るポジションが少なく、危ういスピンではあったのですが…。
8.山下真瑚 SP69.92 2位
実はロシア女子が4回転を覚えだした頃に世界ジュニア銅メダルを取っていたりする山下選手。ここ数年、国際大会には出られていなかったようですが…ここに来て覚醒したようです。
全体として目立ったミスのない名演技ですが、中でも目を引くのが3Lz+3Tの高さとダイナミックさ。GOEの高さに定評のある坂本選手にも負けないGOEを獲得しました。
一方で3Fにはアテンションが付き、総合得点はギリギリ70に届かず。やはり判定の厳しい大会ではあるようです。
9.河辺愛菜 SP67.25 5位
オリンピックを終え、昨シーズンからコーチを変えた河辺選手。昨シーズンに続き、ダンサブルなSPを持ってきました。
グランプリシリーズではフィンランド大会でSPで最下位に沈むなど、イマイチ調子の上がらなかった河辺選手ですが、女子SPのトリを飾るこの全日本で覚醒。3Lzと3Fにアテンションこそ付きましたが、ほぼノーミスの演技で会場を湧かせました。
これで女子SP紹介は終了。女子FSは日曜です。有馬と同じ日ですね。ちなみに今日は男子FS。
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