【漫画感想】Thisコミュニケーション

イラストレーターだけじゃねぇ!仕事をし続ける限りコミュニケーションからは逃れられねぇ!

みなさんこんころです。アカザーです。

新社会人のみんな!あけましておめでとう!元気~?

仕事始め早々仕事が嫌で仕方なかったりする~?

会社の人間関係に疲れてない~?

これから毎年同じセリフを吐くことになるぞ!今のうちに口に出す弱音は暗記しておくんだな!

そんな今を苦しむ皆におすすめの漫画はこれ!

Thisコミュニケーション

六内円栄氏により2020年から2024年4月までジャンプスクエアにて連載されたサバイバルサスペンス漫画だ。

20世紀後半に突如として地球に現れた謎の生命体『イペリット』と彼らが放つガスにより、絶滅寸前にまで追い詰められた人類。わずかな生き残りは辛うじてガスの届かない高地に逃げ延びていた。

そんな中、21世紀の日本は長野県松本市槍ヶ岳。隠された人類の拠点があるとの噂を辿り、優秀な軍人・デルウハはパンとサラミを求めてこの雪山にやってきた。

しかし拠点を見つけられずに失意の中、命を絶とうとしていたところを地下に隠されていた『研究所』に住んでいた少女に助けられる。

『研究所』はデルウハを助けた少女を含む6人の不死身の兵士として改造された少女たち『ハントレス』によって守られていた。

毎日パンとサラミを食べる生活を送るためにデルウハは研究所を守る契約を交わし、『化け物・・・』と戦う仕事に就く。

主要登場人物

主人公:デルウハ

元スイス軍人であり、本名はアンドレア・デ=ルーハ。読者からの愛称はデルウハ殿。

夢女子が選ぶ2024年の100人第21位の男であり、この漫画が人気たる所以であり、アニメ化最大の壁。

徹底的に合理的な思考を持つ、軍人として極めて非凡な才能を持った人物。砲術・白兵戦・戦闘指揮・人心掌握・咄嗟の状況判断などあらゆる能力が高い。

しかし裏では味方殺しの悪癖を持ち、保身や障害の排除のために都合の悪い人間を研究所に着く前から何人も殺害してきた過去を持つ。

敵は殺すが味方も殺す。”化物”を殺す際に見せる顔芸は必見である。

ただ誤解しないでいただきたいのは、デルウハ殿は決して快楽殺人鬼ではないし人並みの喜怒哀楽の感情や倫理観は持ち合わせているし、情けをかけることもある。

ただ物事を解決する選択肢の中に殺人が含まれていてそれが最も合理的ならば殺人を選択することに一切の躊躇・抵抗・罪悪感がないだけなのだ。

デルウハ殿はよく読者から最低と評されるが、最低ではあっても人でなしではないのがデルウハ殿の魅力だろう。

ハントレス

研究所を守る、怪力を持った不死身の少女たちであり、この漫画における死体要員。

真面目な委員長気質の『いちこ』、お調子者だが皮肉屋の『にこ』、無愛想でかわいい物好きな『みち』、プライドが高く周囲を軽んじがちな『よみ』、周囲に気を向けるムードメーカー『いつか』、引っ込み思案で内気な『むつ』の6人で構成されている。

だが6人の性格、趣味嗜好はもちろん戦闘能力もバラバラであり、しょっちゅう喧嘩もするなどチーム関係は決してよろしくない。

しかし我らがデルウハ殿は持ち前の人心掌握術と『死亡したら1時間前の記憶と肉体を再現する』というハントレスの特性に着目し、都合の悪いことが起こっても一時間以内に殺せばなかったことにできるという、合理性100点倫理性0点の方法で時に殺害し、時に教え導きながら、ハントレス化け物たちを育てていく。

作中だとデルウハ殿がリセマラ感覚でハントレスたちを殺して回るため、基本一話につき一名以上死亡するのはデフォであり、人類の敵たるイペリットよりデルウハ殿がハントレスを殺す回数の方が多い。

所長

デルウハがやってきた研究所のリーダー。

物語冒頭で死にかけていたデルウハを救助した人物であり、ハントレスを創り出した非道の実験を行いながらも、ハントレスたちにイペリット討伐を任せている現状に心を痛めるといったまっとうな倫理観も持ち合わせている。

一方でデルウハとハントレスが対立した場面では、内心でデルウハを見捨てて鞍替えすることを検討するといった、決して善良たりえない一面も持っている。

デルウハ本人からその本性を伝えられたものの、その能力の高さを見込み、一日三食の食事と引き換えにデルウハを雇うと同時に、研究所内で唯一デルウハの本性を知る共犯者として協力することとなる。

よきコミュニケーションとは何ぞや

さて、皆様はdiscommunicationという言葉をご存じだろうか?

ディスコミュニケーションと読み、意味としてはコミュニケーションが行われていない、もしくは機能していない状態を指す。つまりはよいコミュニケーションをとることができていないことだ。

この漫画のタイトルであるThisコミュニケーションとは同じ読み方ではあるが、そぐわない言葉といえる。

ではデルウハ殿とハントレスの関係はどうだろうか?

登場人物欄で書いた通り、デルウハ殿はお世辞にもまっとうな手段でハントレスと接しているとは言い難い。都合の悪いことや取り返しのつかないことが起きると斧と銃で即リセを計るRTA走者である。

それ故に、デルウハ殿はハントレスたちと劇中でも常に最良なコミュニケーションをとれているわけではない。些細なすれ違いにより衝突したりばれた殺人の口封じを図って殺しあったり日ごろのふれあいだけでは知りえぬ地雷の後始末に奔走したり踏んだ地雷を物理的になかったことにしたり仲たがいが多いハントレスの仲を取り持つ文字通り喧嘩両成敗で喧嘩を終わらせることもしばしばだ。

だが一方で、怪力のハントレスを恐れる人ばかりの研究所の人々とは異なり、誰よりもまっすぐにハントレスと向き合い続けているのもデルウハ殿である。

戦術や戦闘技術のコツをつかめない部下には付きっ切りで指導をし、自信を持てない部下を励まして自信を持たせ、部下の欠点を指摘し改善のための指導を行う。人殺しというでかすぎる致命点に目を瞑れば理想の上司と言えよう。

そんなデルウハ殿をハントレスたちは殺されているとも知らずに少しずつ信頼し心を開いていく。

そう、よきコミュニケーションとは他者との間に信頼を積み重ねるという、単純でいて最も難しいことなのだ。

そしてその過程における衝突は必ずしも回避することはできない。だからと言ってそれを恐れて対話を避けてはいけないのだ。

この漫画は対話の重要性という普遍的なテーマを最初から最後まで伝えてくれる。

最後に

さて、ここまで読んでくれた社会人読者の諸君は、明日から会社で何をするべきかもうわかっていることだろう。

そう、上司のパワハラは斧でスキップし、クレーマーには銃を片手に対応し、定時前の書類の山はシュレッダーの代わりにチェーンソーで両断しよう!

これが!お前らへのコミュニケーションだ!

Thisコミュニケーションは全12巻完結済み!みんな読もう!

3

コメント

タイトルとURLをコピーしました