こんにちは、近間かずさです。
前回「クラブ選びと覚悟」を題に取っておきながら「覚悟」について触れられなかったので、今回は補足的な続編記事です。
前回のあらすじ
「覚悟」とは
前回まとめにも書きましたが一口馬主の出資は「投資」に類される行為です。
お金を出す以上ある程度覚悟しなくてはいけません。覚悟というより勇気に近いですね。
財布から出たお金は基本的にもう気にしないでください。
まあこの記事をお読みいただける方はそういうの得意かもしれないのですが。
こちらについては次項「愛馬をお任せする覚悟」で実例を交えてご説明します。
あとは馬たちが生き物であることに関しても覚悟が必要です。それについては「愛馬の生涯に関する覚悟」でご説明します。
愛馬をお任せする覚悟
つい先日某クラブさんより「会員が厩舎、牧場にクレームを入れた事例が発生した」旨についてホームページに言及がありました。
これは悲しいことに「覚悟できていない」よい例です。
愛馬の適性、自分の希望、クラブの思惑等、様々考えて何か言いたくなる気持ちはわかります。ああ、こんなレース使ってくれたら、こんな騎手にこんなレース運びしてもらえたらな、と考えてしまうのは自然なことです。うまいこと行けば賞金というリターンもありますし、夢を繋ぐことができる。
ですが!
思っても口に出さない、口に出してしまってもせめて鍵垢や身内にとどめておくべきことです。厩舎さま、牧場さまはたくさんの馬を預かって管理・育成している場所であり、一個人、ましてやクラブに少しお金を出しているだけの実質部外者に時間を割くほど暇ではないはずです。
その馬にお金を出している(出資している)という事実は、馬を持っていることとイコールではありません。馬の所有者はクラブです。だからお金を出してお任せするという覚悟をきちんと持てないのであればそもそも出すべきではありません。
強い言葉にはなりましたが、一口出資者がイキればイキるほどクラブの看板が信用度の面でがた落ちしていきます。競馬場でのマナーで競馬ファンや一般の方からの、牧場さまをはじめとしたご関係者さまへの態度で競馬関係者からの、それぞれからの信用が昇降します。学校に通っていたとき言われませんでしたか?制服を着ている時は学校の名前を背負ってるみたいなこと。そんな感じです。クラブ会員であることがわかる状態であるなら、クラブの名前を背負っているのです。
大好きな愛馬のためにも明鏡止水、覚悟してお任せしましょう。
愛馬の生涯に関する覚悟
馬は生き物ですから、予測できない事態は少なからずあります。
いい方向に予測できない事態であれば嬉しいですよね。芝馬だと思っていたらダートで覚醒とか、距離縮めたら強くなったとか、障害転向で花開くとか。予想を裏切って活躍してくれることのなんと面白いことか。まあ最初の希望進路とは異なるので寂しい側面もあるかもしれません。
それでも活躍していく愛馬を見てきっと心躍るはずです。
当然、そんないいことばかりではないです。わるい予測できない事態、悲しい事態もあります。
無事にデビューできただけですごいんです。
走り切ってくれればうれしいんです。
もちろん1勝挙げてくれれば狂喜乱舞です。クラスが上がれば、重賞に出れば、GIに出れば。
引退まで順調に無事に走り切ってくれればありがたいことです。
募集が始まる1歳馬のまだまだあどけないお顔。馴致を進めつつ甘えたい盛りか生意気盛りで人間とじゃれつく様子も見られる頃。2歳になれば顔つきも大人っぽくなってきて坂路で併せる様子もたくましくなってデビューに向けて準備していく。予定厩舎からの期待や不安のコメントに一喜一憂して、そうして2歳の夏から3歳の春までにデビューを迎えるんです。
それがあどけないお顔の報告までで止まってしまうことだってある。
私が出資した2世代目、ロスヴァイセの2022(ライネリーベ)と同時期に実はもう1頭購入済みの子がありました。父サトノクラウンで期待された牝馬、1歳の募集期間中に骨折により募集中止(=解散)になりました。歩様チェックの痛そうな歩き方、最後の報告動画のつらそうな顔が今でも頭から離れません。
今生きているのかすらわかりません。名前がつく前だったのでどうなったのか探すすべがないのです。
※ルナティア―ラ2022(母ルナティア―ラ、父サトノクラウン)のその後について情報ある方はぜひ近間かずさ宛にお寄せください
愛馬が必ずデビューできて無事に走り終える、そう信じるのは当たり前でむしろ信じてあげてほしいです。
しかしこういうことも起こりうるという覚悟はあらかじめ持っておくほうがいいかなと思います。生き物ですから、サラブレッドですから、いい方向にも悲しい方向にも予測できない事態がある可能性を頭の隅っこに置いておくといいでしょう。
おわりに
ちょっと強めの言葉や悲しい話を今回は書きました。
前回記事と併せて一口出資に興味を持ってくれる人が出たり、迷っている方の後押しになれたら嬉しいです。
ではまた。


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